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USB Type-C専用モバイルディスプレイ、ASUS「ZenScreen MB16ACE」を試すモバイルディスプレイの道(4/4 ページ)

» 2020年05月15日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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完成度は高いが、もろ手を挙げてお勧めできない理由

 以上のように、OSDメニューの操作しづらさはさておき、トータルでは基本性能は高く、使い勝手も良好、かつ実売3万円前後とコストパフォーマンスは高い。4K対応やバッテリー搭載といった機能こそないものの、Windows用ユーティリティーを含めて付加価値も多く、過去に紹介してきたモバイルディスプレイと比べても、完成度は高い印象だ。

 しかし残念なことに、もろ手を挙げて本製品をお勧めできない理由が1つある。それは本体に付属する、USB Type-C→USB Type-Aの変換アダプターの存在だ。

 この変換アダプターだが、付属の両端がUSB Type-Cとなるケーブルの先端に取り付けることで、USB(Type-A)しか搭載しないPCで本製品を使うためのものだ。別途Display Linkドライバのインストールが必要とはいえ、USB Type-CポートやHDMIポートがないPCでも本製品を使えるのは画期的だ。

ZenScreen MB16ACE 規格上許可されていない、USB Type-C→Type-A変換アダプター。他社の周辺機器でも添付の例があるが、モバイルディスプレイではあまり見かけない
ZenScreen MB16ACE 両端がUSB Type-Cケーブルに取り付けることでUSB Type-A→USB Type-Cケーブルとして使えるようになる。おそらく専用ケーブルを添付するよりもコストが安いのだろうか

 しかしこのType-C→Aへの変換アダプタは、誤接続による発火などの事故を防ぐため、USB Type-Cの規格上、許可されていない接続方法にあたる。本製品でしか使わないので問題ないという理屈かもしれないが、現実的には、本製品をUSB Type-C接続で使えば必ず余るこの変換アダプターが、単体で別のところに流用される危険性は十分にあるわけで、「理解していれば問題ない」では済まない。

 片方がUSB Type-A、もう片方がUSB Type-CのUSBケーブルをもう1本添付すれば済む話だ。本製品を購入したユーザーは、この変換アダプターは開封しないまま使わず、USB Type-Aで接続する際は市販のUSB Type-A→USB Type-C仕様のケーブルを別途買い求めることをお勧めする。同時に、同社にはユーザーを守る意味でも今後の製品仕様を再考してほしい。何より、せっかくの製品価値の足を引っ張るのは非常にもったいないからだ。

ZenScreen MB16ACE 市販のUSB Type-A→Cケーブルにこの変換アダプターを取り付けると、両端ともにUSB Type-A端子という、故障や発火の原因となるケーブルが作れてしまう
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