第10世代Coreプロセッサと、NVIDIA Quadro RTX 4000を搭載した本製品の性能はいかなるものか。ベンチマークテストでパフォーマンスを確認しよう。比較対象としては、第8世代のCore i7-8700K(6コア12スレッド)、GeForce GTX1070 Ti搭載の自作PCを用意した。電源プランは双方とも「高パフォーマンス」に設定している。
まずは定番ベンチマークテストの結果から見よう。
CINEBENCHのCPUスコアにはCPU性能がダイレクトに反映される。本製品は、比較的負荷が低いR15では1.94倍、R20でも1.84倍と比較用PCを圧倒している。10コア20スレッドのパワーを余すことなく発揮できているといえる。
シングルスレッド性能を見る「CPU(シングルコア)」のスコアもR15で約16%、R20で約12%と比較用PCから伸びており、Turbo Boost Max Technology 3.0による最大5.3GHz動作の効果が伺える(Core i7-8700Kは最高で4.7GHz)。
システムの総合性能を見るPCMark 10でも、比較用PCに対してはっきりアドバンテージが感じられる。日常操作(Essentials)ではさほど差がないが、オフィス作業のシミュレートであるProductivityでは約21%、クリエイティブツールを使用してコンテンツ制作を行うDigital Content Creationでは、35%と大きな差をつけている。
DirectXベースの3D描画性能を見る3DMarkのスコアも優秀だ。特にリアルタイムレイトレーシングに対応したPort Royalのスコアは、RTコアを統合しているRTXシリーズならではの高い性能で、比較対象(GeForce GTX1070 Ti)に大きな差をつけている。FINAL FANTASY XIV:漆黒のヴィランズベンチマークでもご覧の通り良い結果だ。
次に、クリエイティブツールでの性能も確認しよう。Blackmagic DesignのDaVinci Resolveでは、ソニーのカメラで撮影した5つの4Kクリップ(S-log3)にプリセットLUTを当て、トーンカーブで調整したカラーグレーディングを施して出力する時間を計測したところ、比較対象PCに比べて6割弱の速度で出力が終了した。
また、Blackmagic Design独自形式の映像素材(BRAW)を編集できるかの目安となるBlackmagic RAW Speed Testも実行した。CPUでは8K30pまで、CUDAでは全てのフォーマットで編集可能だ。一番圧縮率の高いBRAW12:1でも、8Kで80fpsと高いフレームレートを示した。
Adobe Premiere Pro CCでは、7本の4KクリップをつなげてBGMをつけたプロジェクトをMP4(H.265)で書き出す時間を計測した。ソフトウェアエンコーディング(SW)では比較対象の7割の速度で終わっている。
制作/開発ツールのビューポートの描画性能を測定するSpecviewperf 13も実行した。どの項目でも比較対象を大きく上回っているが、特にSimens NX 8.0のviewセット(snx-03)では23倍もの差がついた。SolidWorks 2013 SP1で約2.4倍、CATIA V6 R2012で約2.7倍とメジャーなツールでも比較対象に大きな差をつけている。Quadro RTX 4000の効果が大きく出た結果といえる。
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