次に厳しいのが、12.9インチモデルは横位置前提のデバイスだということです。iPad Proは元々、横にして使う機会が多いデバイスですが、12.9インチモデルは縦位置では大きすぎて操作しづらい面があって、その傾向がさらに強くなります。
ですが、iPadの世界は元々は縦位置です。クリエイティブ用途や仕事に使うような"Pro"アプリはまだしも、一般的なアプリは横位置に対応していない物が少なくありません。試しに有名そうな住宅情報アプリを4個ほどインストールしたら、2個が有無をいわさず縦に表示されました。こんなとき、11インチモデルならそこそこ気軽に持ち替えて対応できますが、12.9インチモデルだと面倒な気分になったり、アプリを使うのを諦めたりしてしまいがちです。
また、アプリやWebサイトもユーザーインタフェースが大味になったり、字が大きかったり、まるでお年寄り向けのようになってしまうこともあります。こういう何というか見捨てられたような体験、アプリのサポートが終わってしまったような状態には覚えがあるぞ――と思ったのですが、程度の差こそあれ現状のAndroidタブレットを使うときの感覚と似ています。
iPhoneやiPadは同じ形のデバイスを大量に売ることによって、サービス提供者はそれに最適化する動機を得て、その結果として我々は快適さを享受してきました。そして、iPadには発売から10年の「約10インチで縦位置が標準」の歴史があります。12.9インチモデルはその標準から一番遠く、数量の面でも圧倒的にマイナーです。
このように、12.9インチモデルは、
について、はっきりと劣っています。迷いがあったり、用途を絞り込みたくない人は、せっかく買ったものが使いにくかったり、使用頻度が減ってしまったりしては元も子もありません。どうしようかなと思っているなら、もう11インチモデル確定でOKです。
もちろん、12.9インチで有利な用途も沢山あります。お絵描き、大判の電子書籍閲覧、SplitViewなどのマルチタスクの多用、ブラウザでのPC用Webサービス利用などではかなり有利だと思います。
いよいよ、メインメモリのお話です。
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