iPad Proを“Mac化”する「Magic Keyboard」は高価でも買い? その完成度を確かめた本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/4 ページ)

» 2020年04月20日 22時00分 公開
[本田雅一ITmedia]

 3月に新型「iPad Pro」とともに発表された「Magic Keyboard」は、iPad Proの前面と背面を包み込むカバーに、キーボードとマルチタッチのトラックパッドを組み合わせた製品だ。当初は5月の発売予定だったが、4月16日に受注が始まり、当初の予定より早く出荷が始まっている。

Magic Keyboard 「Magic Keyboard」を新型「iPad Pro」の12.9型モデルに装着した様子

 Magic Keyboardはこれまでのカバー兼キーボード「Smart Keyboard Folio」と異なり、トラックパッドを新たに搭載したことに加えて、キーボードは「MacBook Pro」の16型モデルや「MacBook Air」で採用されて好評のシザー構造となった。

 実際、手元に届いたMagic KeyboardはMacで採用されているキーボードとほぼ同じフィーリングで使える。「iPadOS 13.4」で追加されたトラックパッドへの対応と合わせ、まるでMacのようにiPad Proを使いこなせるのだ。既にMacとトラックパッドに慣れているならば、MacBookなどから持ち替えて作業をしても、ほとんど違いを意識することなく、さまざまな作業に集中できるだろう。

 Magic Keyboardの重さは12.9型モデル用で700gあるため、iPad Pro本体に「Apple Pencil」も合わせると1.4kg近くになる。これはMacBook Proの13.3型モデルに相当する重さだが、カバーの機能も兼ねていることを考えれば、個人的にさほど重たいとは感じない。11型モデル用の細かな重量は承知していないが、画面やキーボードの小ささを気にしないのであれば、1kg程度に収まっているだろうか。

Magic Keyboard 左が12.9型のiPadとMagic Keyboard、右がMacBook Proの13.3型モデル。大きさは違うが、重さは同程度になる

 不満はほとんど感じなかったが、トラックパッドの位置がキーボードのホームポジションから外れている(全体の中心にある)ため、Macで左の親指もトラックパッドの操作に使っている人は不満を持つかもしれない。

 また、後述するようにタブレット本体にも匹敵する価格への批判は出てくるかもしれないが、製品としての作りのよさは、あらゆるタブレット用キーボードを大きくしのぐものだった。

キーボードのタッチは新型MacBook Airとほぼ同じ

 発表時に分からなかった重量は、前述したように12.9型モデル用で700gだ。おおむね12.9型の「iPad Pro本体(641g〜643g)より少し重い」程度だと考えればよい。そもそもSmart Keyboard Folioも12.9型モデル用は400gを超えており、本体を支えられるだけのヒンジが2カ所、さらにキーボードとトラックパッドも搭載していることから、その差分が300g以下ならばむしろ軽量と考える方がいいのかもしれない。

 もちろん、「iPad Proの12.9型モデルとMagic Keyboardの組み合わせが、MacBook Proの13.3型モデルと同じなんて重すぎる」という気持ちは理解できるが、この重さがあるが故に膝の上で使っていても、本体を浮いた状態で保持していても安定している。このぐらいの重さは必要なのだと思う。

 ストローク1mmのキーボードは、キーのメカ構造がMacBook Airなどと共通だ。キーボード本体が薄いため、キーの押下感は机の質感に左右され、丈夫な机であれば筐体の上に配置されるMacBook Airなどより静かに入力できるのだが、「ほぼ同じ」と表現した方がより感覚的には正確に伝わるだろうか。

 実はこうして書いている原稿も含め、先週後半に試用機が筆者の手元に届いてから、全ての仕事をiPad Proの12.9型モデルで行っているが、全くもって文字入力の作業に支障がない。

Magic Keyboard 日本語配列のキーボード部分。シザー構造のキーを採用する。キーストロークは1mmだ

 もともと従来のSmart Keyboard Folioもキータッチは良好で、当時のMacBookに採用されていたバタフライ型キーボードよりもよかったぐらいだ。日本語入力に関しても、iPad OS 13.4で大幅に改善されたと個人的には感じている。

 実は「ライブ変換」という機能が好きではなく、あまり深く評価していなかったのだが、iPadOSではライブ変換をオンにすると日本語入力の振る舞いが変化し、入力中に予測変換候補が縦方向にリスト表示されるようになる。

 Tabキーで予測変換候補のリストに飛ぶこともでき、パソコンでおなじみの日本語入力ツールに近いフィールが得られる(ライブ変換をオフにしていると、変換効率そのものは変わらないが、予測変換候補は出てこなくなる)。

 初期のmacOS用ライブ変換が嫌いで、この機能を無効にしているならば、少しだけ我慢して、しばらくライブ変換をオンでiPad OSを使ってみるといい。筆者はiPadOS 13.4でのライブ変換に慣れてきたこともあって、Mac側の日本語入力もApple製に切り替えた。

 崩れた日本語や口語に弱いという弱点があるため、チャットやSNSには向かないが、一般的な文書作成ではかなり高い精度の日本語入力ができる。

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