コンパクトなボディーのPCが、Core i5クラスのCPUを搭載した13.3型ディスプレイを搭載するモバイルPCを超えるベンチマークテストスコアを出すあたり、“見た目のギャップ”に驚いてしまうが、それだけに“無理をしている”ところもある。
それが如実に出てしまうのがクーラーファンの発する音量とボディーの表面温度だ。負荷の高いベンチマークテストを走らせると、ボディーに内蔵したクーラーファンが全力で回り始めるが、その音はさすがに大きい。そして、全力でファンを回しているものの、ボディー表面は、思わず「おっと」と声が出るほどに熱くなる。
実際に、OM3Pプラチナで3DMarkの「Night Raid」を走らせて、騒音計と非接触タイプの赤外線温度計で測定した表面温度と音量は以下のようになった。
| ファン回転設定&電源プラン | 全力回転&パフォーマンス | 抑制回転&パフォーマンス | 全力回転&バッテリー | 抑制回転&バッテリー |
|---|---|---|---|---|
| 発生音量 | 44.23dBA | 37.4dBA | 45.38dBA | 39.2dBA |
| 表面温度(Fキートップ) | 41.3度 | 38.6度 | 39.2度 | 41.1度 |
| 表面温度(Jキートップ) | 41.5度 | 39.6度 | 40.9度 | 42度 |
| 表面温度(パームレスト左) | 40.1度 | 39度 | 38度 | 39度 |
| 表面温度(パームレスト右) | 42.2度 | 40.9度 | 40.4度 | 42.3度 |
| 表面温度(底面) | 51.0度 | 48.7度 | 50.1度 | 49.6度 |
OneMixシリーズは、クーラーファンの回転数を制御するボタンを用意している。全力回転、抑制回転の2段階に設定可能で、ファンのアイコンを刻印した「@」キーをFnキーとセットで押すと全力/抑制を切り替えられる。
加えて、ファンの回転モードを切り替えるとCPUの動作クロックも変化する。3DMarkのモニタリングでCPUの動作クロックのグラフを確認すると、全力回転設定時と比べて抑制回転設定時のCPU動作クロックは低く推移しているのが分かる。
以上のことから、測定結果では、ファン回転数の設定ごとに表面温度と発生音量に加え、Night Raidのスコアも併記する。なお、測定時の室内温度は27.3度で、暗騒音は37.8dBAだった。
| ファン回転設定&電源プラン | 全力回転&パフォーマンス | 抑制回転&パフォーマンス | 全力回転&バッテリー | 抑制回転&バッテリー |
|---|---|---|---|---|
| 3DMark NightRaid | 4007 | 2793 | 3995 | 2811 |
キーボート、パームレストの表面温度は、PCに向かって右側領域で高くなる。Jキーのキートップとパームレスト右側では42度まで上がる。お風呂ならちょうどいい加減だが、金属のパームレスト(そして本体右側面)に手が触れると「うぉっとー」と思わず声が出るぐらいには熱く感じる。
底面は50度前後まで上がる。ここまで熱いと「うぉっとー」では済まなくなる。少なくとも今回の評価作業で「膝の上に置いて使う」というのは、例え長ズボンを履いていても熱くてできなかった。
発生音量は、抑制回転設定にすると明らかに小さくなる。全力回転設定では図書館や静かな喫茶店で使うのをはばかるぐらいうるさかったが、抑制回転設定にすると、ファンの音はほぼ聞き取れないほどだ。一方で、表面温度の測定値はファンの回転数を変更しても大きくは変わらなかった。
なお、OM3Pプラチナは従来のOneMixシリーズと同様、ディスプレイを360度開いてタブレットスタイルでも使える2in1 PCでもあるのだが、表面温度がここまで熱くなると「本体をもってある程度の時間使い続ける」のは(少なくとも私個人としては)推奨できない。2in1 PCとして言及がないのもそのためだと理解していただきたい。
次にキーボードを見ていこう。
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