「OneMix3 Proプラチナエディション」は、何が“プラチナ”なのか 「OneMix3S+」もチェックした超小型PCへの道(1/4 ページ)

» 2020年07月07日 11時00分 公開

超小型PCなのにCore i7を載せちゃった

 中国One-Notebook Technologyの「OneMix3 Proプラチナエディション」(以下、OM3Pプラチナ)は、従来モデル「OneMix3 Pro」(以下、OM3P)から、搭載するCPUを強化(Core i5-10210Y→Core i7-10510Y)した、8.4型ディスプレイを搭載する“超小型PC”と呼ばれるカテゴリーの製品だ。日本市場では、テックワンが5月から取り扱いを開始し、一部の量販店などでも展開している。

 直近では、超小型ゲーミングPC「OneGx1」や手頃なモデル「OneMix1S+」が発表され、こちらは8月に発売の予定だ。

OneMix3 Proシリーズ OneMix3 Proプラチナエディション

 なお、OM3Pプラチナと同じタイミングで、CPUに2コア4スレッドのCore i3-10110Y(1GHz〜4GHz)を採用した「OneMix3S+」(以下、OMP3S+)が登場した。

 名称から、従来モデル「OneMix3S」の後継と思うかもしれないが、システムメモリがOneMix3Sの16GBと比べて8GBにとどまることと、同様にテックワン直販のOne-Notebookストアの税別価格が11万800円→9万6800円と低く設定していることから、OneMixのラインアップにおける位置付けとしては、OneMix3 Proシリーズのローエンドモデルと考えるのが妥当だ。

OneMix3 Proシリーズ OneMix3S+
OneMix3 Proシリーズ OneMix3 Proプラチナエディション(左)、OneMix3S+(中)、NANOTE(右)のボディーサイズ比較
OneMix3 Proシリーズ OneMix3 Proプラチナエディション(下)、OneMix3S+(中)、NANOTE(上)の厚さ比較

 このように、既に登場しているOM3Pを含めた「OneMix3Pro」シリーズで採用したCPUの主な仕様を比較すると次のようになる。

モデル名 OM3Pプラチナ OneMix3Pro OMP3S+
プロセッサー・ナンバー Core i7-10510Y Core i5-10210Y Core i3-10110Y
コア数 4 4 2
スレッド数 8 8 4
ベースクロック 1.2GHz 1GHz 1GHz
ターボ・ブースト有効時最大クロック 4.5GHz 4GHz 4GHz
スマートキャッシュ 8MB 6MB 4MB
TDP 7W 7W 7W
コンフィグラブルTDP-downクロック 400MHz 600MHz 700MHz
コンフィグラブルTDP-down 4.5W 5.5W 5.5W
グラフィックスコア最大動作クロック 1.15GHz 1.05GHz 1.0GHz
メモリ 16GB 16GB 8GB
SSD 512GB 512GB 256GB
直販価格(税別) 12万5100円 11万6999円 8万7120円

 OM3PプラチナとOM3Pの比較で言うと、CPU強化後も、同じ第10世代Coreで物理コア数と同時対応スレッド数は変わらない上に、消費電力と発熱に影響するTDPも7Wと変わらない。ただし、動作クロックは向上し、スマートキャッシュ容量も増えている。

 この他、CPU以外で処理能力に影響する内部構成については、システムメモリ容量がOM3+だけが8GBで他は16GBとなっており、ストレージの容量と接続バス規格は3モデル共通で、PCI Express接続のSSDを採用する(ただし容量はOM3S+のみ256GBで他は512GB)。

 このように、特にOM3PプラチナとOM3Pの違いは「CPUの動作クロックとスマートキャッシュ容量」だけとなる。そのOM3PプラチナとOM3S+の処理能力を、ベンチマークテストで測定した。

モデル名 OM3Pプラチナ OM3S+
PCMark 10 3332 2598
CINEBENCH R20 CPU 912 599
CINEBENCH R20 CPU Single 322 315
3DMark Night Raid 4102 3001
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(標準品質ノートPC) 1857 953
CrystalDiskMark 7.0.0 x64 SEQ1MQ8T1 Read 1450.63 1388.60
CrystalDiskMark 7.0.0 x64 SEQ1MQ8T1 Write 803.84 777.95
BBench 1.0.1 6時間27分38秒 7時間8分55秒
※BBench 1.0.1の測定は電源プラン=パフォーマンス寄りのバランス、ディスプレイ輝度10段階の下から6レベルに設定して実施した

 さすが4コア8スレッドで、最大動作クロック4.5GHzのCPUを搭載しているだけあって、OM3PプラチナのスコアはCore i5クラスのCPUを搭載した13.3型ディスプレイ搭載モバイルPCを上回る。

 OM3S+のスコアはCPUの処理能力を反映するPCMark10やCINEBENCH R20、グラフィック描画処理能力を反映する3DMarkにFF XIVは差がついてしまうものの、PCI Expressバスに接続したSSDによってストレージの転送速度を測定するCrystalDiskMarkではそれほど大きな差は出ていない。ストレージの転送速度は体感で分かるところで、実際使っていると文章入力やFacebook、TwitterなどのSNS閲覧であればOM3Pプラチナと使い勝手は大きく変わらない。

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