中国One-Notebook Technologyの「OneMix3 Proプラチナエディション」(以下、OM3Pプラチナ)は、従来モデル「OneMix3 Pro」(以下、OM3P)から、搭載するCPUを強化(Core i5-10210Y→Core i7-10510Y)した、8.4型ディスプレイを搭載する“超小型PC”と呼ばれるカテゴリーの製品だ。日本市場では、テックワンが5月から取り扱いを開始し、一部の量販店などでも展開している。
直近では、超小型ゲーミングPC「OneGx1」や手頃なモデル「OneMix1S+」が発表され、こちらは8月に発売の予定だ。
なお、OM3Pプラチナと同じタイミングで、CPUに2コア4スレッドのCore i3-10110Y(1GHz〜4GHz)を採用した「OneMix3S+」(以下、OMP3S+)が登場した。
名称から、従来モデル「OneMix3S」の後継と思うかもしれないが、システムメモリがOneMix3Sの16GBと比べて8GBにとどまることと、同様にテックワン直販のOne-Notebookストアの税別価格が11万800円→9万6800円と低く設定していることから、OneMixのラインアップにおける位置付けとしては、OneMix3 Proシリーズのローエンドモデルと考えるのが妥当だ。
このように、既に登場しているOM3Pを含めた「OneMix3Pro」シリーズで採用したCPUの主な仕様を比較すると次のようになる。
モデル名 | OM3Pプラチナ | OneMix3Pro | OMP3S+ |
---|---|---|---|
プロセッサー・ナンバー | Core i7-10510Y | Core i5-10210Y | Core i3-10110Y |
コア数 | 4 | 4 | 2 |
スレッド数 | 8 | 8 | 4 |
ベースクロック | 1.2GHz | 1GHz | 1GHz |
ターボ・ブースト有効時最大クロック | 4.5GHz | 4GHz | 4GHz |
スマートキャッシュ | 8MB | 6MB | 4MB |
TDP | 7W | 7W | 7W |
コンフィグラブルTDP-downクロック | 400MHz | 600MHz | 700MHz |
コンフィグラブルTDP-down | 4.5W | 5.5W | 5.5W |
グラフィックスコア最大動作クロック | 1.15GHz | 1.05GHz | 1.0GHz |
メモリ | 16GB | 16GB | 8GB |
SSD | 512GB | 512GB | 256GB |
直販価格(税別) | 12万5100円 | 11万6999円 | 8万7120円 |
OM3PプラチナとOM3Pの比較で言うと、CPU強化後も、同じ第10世代Coreで物理コア数と同時対応スレッド数は変わらない上に、消費電力と発熱に影響するTDPも7Wと変わらない。ただし、動作クロックは向上し、スマートキャッシュ容量も増えている。
この他、CPU以外で処理能力に影響する内部構成については、システムメモリ容量がOM3+だけが8GBで他は16GBとなっており、ストレージの容量と接続バス規格は3モデル共通で、PCI Express接続のSSDを採用する(ただし容量はOM3S+のみ256GBで他は512GB)。
このように、特にOM3PプラチナとOM3Pの違いは「CPUの動作クロックとスマートキャッシュ容量」だけとなる。そのOM3PプラチナとOM3S+の処理能力を、ベンチマークテストで測定した。
モデル名 | OM3Pプラチナ | OM3S+ |
---|---|---|
PCMark 10 | 3332 | 2598 |
CINEBENCH R20 CPU | 912 | 599 |
CINEBENCH R20 CPU Single | 322 | 315 |
3DMark Night Raid | 4102 | 3001 |
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(標準品質ノートPC) | 1857 | 953 |
CrystalDiskMark 7.0.0 x64 SEQ1MQ8T1 Read | 1450.63 | 1388.60 |
CrystalDiskMark 7.0.0 x64 SEQ1MQ8T1 Write | 803.84 | 777.95 |
BBench 1.0.1 | 6時間27分38秒 | 7時間8分55秒 |
さすが4コア8スレッドで、最大動作クロック4.5GHzのCPUを搭載しているだけあって、OM3PプラチナのスコアはCore i5クラスのCPUを搭載した13.3型ディスプレイ搭載モバイルPCを上回る。
OM3S+のスコアはCPUの処理能力を反映するPCMark10やCINEBENCH R20、グラフィック描画処理能力を反映する3DMarkにFF XIVは差がついてしまうものの、PCI Expressバスに接続したSSDによってストレージの転送速度を測定するCrystalDiskMarkではそれほど大きな差は出ていない。ストレージの転送速度は体感で分かるところで、実際使っていると文章入力やFacebook、TwitterなどのSNS閲覧であればOM3Pプラチナと使い勝手は大きく変わらない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.