「CPUは同じだけどMaxとはこれいかに」なGPD P2 Maxを検証する上位モデルと下位モデル、気になる性能差は?(1/3 ページ)

» 2020年02月26日 12時05分 公開
[長浜和也ITmedia]

 10型に満たないディスプレイとハードウェアQWERTYキーボードを搭載するノートPC(ここでは、この種のPCを“超小型PC”と呼ぶ)の主要なベンダーとして日本でも製品が流通している中国Shenzhen GPD Technologyから、新モデルとして「GPD Pocket2 Max」(以下、GPD P2 Max)が登場した。

 従来モデルの「GPD Pcoket2」のアップグレード版に相当するが、その強化ポイントがディスプレイサイズにキーボードレイアウトと外観に大きく影響する部分にも及んでいるため、製品の印象、そして、使い勝手は大きく変わった。

GPD P2 Max ディスプレイサイズが8.9型とサイズアップした「GPD Pocket2 Max」

上位モデルと下位モデルのパフォーマンスをチェック

 この記事では、GPD P2 MaxのCore i3-8100Y搭載モデルの他に、下位構成として加わったCeleron 3965Y搭載モデルでも処理能力をベンチマークテストで検証する。さらに、超小型PCでは処理能力とトレードオフになりがちな、ボディー表面の温度と本体に内蔵されたクーラーユニットの冷却ファンが発する音の大きさも測定して、実運用における影響を考察した。

 また、搭載するディスプレイサイズが7型から8.9型にアップしたことで、キーボードのピッチとレイアウトが従来のGPD Pocket2から大きく変わったが、そのことによるキータイプの使い勝手の変化も別記事で取り上げる。

GPD P2 Max GPD P2 Maxでは2モデルが登場した。写真のブラックはCore m3-8100Y搭載の上位モデルだ
GPD P2 Max もう1つが、Celeron 3965Yを搭載するシルバーモデル。メモリやSSDの容量が上位モデルの半分となる8GB/256GBとなる

 GPD Pocket2 Maxは、従来モデルのGPD Pocket2とほぼ同じ名称で、その変化だけでは「内部パーツを変更しただけのマイナーバージョンアップかな?」と思ってしまうかもしれない。

 ボディーデザインこそGPD Pocket2と共通する「手前を薄く見せる」断面形状を採用して、両側面に1基ずつUSB 3.0(Type-A)を備え、右側面にはUSB Type-CやMicro HDMIの各端子も備えるなど、本体に搭載するインタフェースも「ほぼ」変わらない(GPD Pocket2にあったmicroSDスロットは廃止された)。

GPD P2 Max 左側面にはUSB 3.0(Type-A)端子とヘッドフォン・マイクのコンボジャック端子を備える
GPD P2 Max 右側面にはUSB 3.0(Type-A)とUSB Type-C(USB 3.1)、そして、Micro HDMI出力を用意する
GPD P2 Max 前面はシンプルな形状で、形状を細く見せるデザインになっている
GPD P2 Max 背面にインタフェースはなく、排気口は液晶ディスプレイのヒンジ右側部分にある

 しかし、ディスプレイは8.9型とほぼ9型にサイズアップし、解像度も2560×1600ピクセルとなった。GPD Pocket2の7型で1920×1200ピクセル(ズーム設定は標準で150%)から拡大し、「8.9型のサイズで2560×1600ピクセルの解像度って意味あるの?」という意見もあるだろう。

 確かに、ディスプレイの表示ズーム設定を推奨の200%にしておくとディスプレイに表示できる情報量はそれほど多くない。例えば、WebブラウザのMicrosoft EdgeでPC USERのトップページを表示させると、TOP STORIESの上段記事タイトルしか表示できない。しかし、表示ズーム設定を「150%」に変更すれば2段目の記事タイトルまで表示できるようになる。

GPD P2 Max 上位構成も下位構成も、ディスプレイサイズは8.9型で解像度は2560×1600ピクセルとなる

 なお、推奨200%の場合、PC USERの記事本文フォントの表示サイズは実測で約2ミリだが、150%表示にするとこれが約1.5ミリとなる。フォントのサイズは明らかに小さくなるが視認性はそれほど落ちない。

 筆者の(老眼が進んだ)眼でも読み取りは苦でない。これが、高解像度のありがたいところで、画面表示密度が320ppiと高いおかげでフォントの細かいところまではっきりと描画でき、これがサイズを小さくても視認しやすい表示を可能にしている。

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