この流れを受けて、ジワラ氏は自社のCoreプロセッサと、競合であるAMDのRyzenプロセッサの「比較」に入った。
今回の説明会では「ハイエンドモバイル(Hプロセッサ)」「省電力モバイル(Uプロセッサ)」「デスクトップ」の大きく3ジャンルに分けて実使用環境でのパフォーマンスについて説明が行われた。
Hプロセッサの比較では、レノボのゲーミングノートPC「Legion Y7000」のCore i7-10750H(2.6G〜5GHz、6コア12スレッド)モデル、Core i5-10300H(2.5G〜4.5GHz、4コア8スレッド)モデルと、「Legion R7000」のRyzen 7 4800H(2.9G〜4.2GHz、8コア16スレッド)モデルの計3台を用意して比較が行われた。
公平性を担保するため、メーカーだけではなく、CPU以外の構成もできるだけ統一してテストを行ったという。
まず、CPUレンダリングで定番の「CINEBENCH R15」「CINEBENCH R20」と、3Dグラフィックスのベンチマークで定番の「3DMark」(Time Spy、Fire Strike)のテストでは、いずれもRyzen 7 4800Hが一番高い性能を示した。
しかし、先ほどから出ている「実使用環境」という観点で人気のある3Dゲームを実行し、平均フレームレートを算出すると、36タイトル中35タイトルでCore i7-10750Hの方が良好な数値を残し、残る1タイトルではほぼ同等のレートになったという。
さらに、一部のタイトルではRyzen 7 4800HよりもCore i5-10300Hの方が平均フレームレートが高いという結果も出たそうだ。
実際のゲームにおいてCoreプロセッサの方がフレームレートが高い傾向にあることについて、ジワラ氏は以下の2つを理由に挙げている
まとめると、多くのゲームには「8コア」よりも「5GHz」が効果的ということのようだ。これは、ここ最近のIntelがよく使う主張でもある(参考記事)。
加えて、ジワラ氏はCore i5-9300H(2.4G〜4.1GHz、4コア8スレッド)とRyzen 5 3750H(2.3G〜4GHz、4コア8スレッド)を搭載するゲーミングノートPCにおいて過去に実施したフレームレートテストの結果も引っ張り出した。わざわざ前世代のHプロセッサを出してきたのは、現在もエントリー向けに両プロセッサを搭載する製品が存在するからだ。
結果は、Core i5-9300Hが優れているか、Ryzen 5 3750Hと同等だったという。前の世代から傾向に変わりはないということを示しかったのだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.