このところ、スマートディスプレイの動画対応が加速している。もともとGoogleの「Google Nest Hub」はYouTube、Amazonの「Echo Show」はAmazonプライム・ビデオと、それぞれ傘下の動画配信サービスをサポートしていたが、ここに来てサードパーティーの動画配信サービスとの提携を積極的に打ち出している。
そもそもスマートディスプレイは、画面サイズ自体は7型〜10型と小型のタブレットと変わらないわけで、これを有効活用しようというアイデアが出てくるのは自然だろう。タブレットを所有していないユーザーにとっては、手頃なサイズで動画が見られるデバイスとして魅力的だし、各動画配信サービスのユーザーからすると、再生可能な端末が自宅内に増えれば、便利になることは間違いないからだ。
ただし、持ち運べるタブレットとは違って据え置きでの利用になること、またTVに比べてコンパクトであることから、操作性は独特で、かつコンテンツの向き/不向きも少なからずある。今回は、新しくサポートされた2つの動画配信サービスの設定方法を通じて、スマートディスプレイの動画対応について考えてみよう。
最初に、Google Nest Hubがこの7月にサポートを表明したNetflixの設定方法から見ていこう。Google Nest Hubでの利用にあたっては、まずスマホのGoogle Homeアプリを開き、Netflixへのリンクを行う必要がある。Google Nest Hubの画面上では設定できない点が、後述するAmazonのAlexaデバイスとの大きな相違点だ。
このリンクが完了すれば、Google Nest Hubに「Netflixを開いて」と呼びかけることで、画面上にお勧めタイトルが表示される。あるいは「(タイトル)を再生して」と呼びかけることで、タイトルを直接呼び出すことも可能だ。音声コマンドの内容は画面上段に表示されるので、きちんと認識されなかった場合でも原因を把握しやすい。
一方、Google Nest Hub上での操作はかなり制限がある。例えば、ホーム画面を開くとお勧めタイトルが並ぶところまではタブレットと同じなのだが、その下にあるはずのマイリストが表示されず、左右スワイプでお勧めタイトルを見ることしかできない。「Netflixのマイリストを開いて」という音声コマンドも認識されない。
同様に「TV番組・ドラマ」「映画」「新着」といったカテゴリーも表示できないので、ブラウズしながら観たいタイトルを探すという使い方ができない。結果的に、スマホのNetflixアプリでタイトルを選んだ後、再生先としてGoogle Nest Hubを指定するという使い方にならざるを得ない。
ちなみに、一旦再生を始めれば10秒単位の移動、字幕のオン/オフなどはタッチ操作で容易に行えるのだが、スマホでは可能な音声による選択はサポートしていない。「YouTubeを開いて」でいきなりお勧め動画の再生を開始するYouTubeにも言えるが、お節介な反面、ユーザーの選択肢を奪っている印象で、使っていてもどかしいというのが正直なところだ。
続いて、AmazonのEcho Showシリーズを見ていこう。
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