以上、2020年春から夏までにかけて新たにサポートされた2つの動画配信サービスをチェックしてみたが、実際に使ってみて感じるのは、こうしたスマートディスプレイでの動画視聴は「ながら見をするコンテンツ」にこそ適しているということだ。
片時も目を離せず、画面に食い入るように視聴するタイプのコンテンツであれば、卓上に置いたまま画面の角度も変えられないスマートディスプレイは、自由度が低くあまり快適ではない。しかし、ながら見のコンテンツならば、別の用事をこなしながら再生しっぱなしにしておける。本体を手に取れない特徴も、ながら見であれば利点として生きてくる。
そうした意味で、流しっぱなしにしておける「ながら見」向けのコンテンツがどれくらい充実しているかは重要だ。例えばParaviであれば、プロ野球のライブ中継に対応しているので、作業をしながら流しっぱなしにしておくのにちょうどよい。
また、コンテンツ1本あたりの再生時間が短い場合、続きを再生する操作を毎回行うのは面倒なため、自動的に次のコンテンツを再生してくれる機能は重宝する。例えば画面上での操作に制限があるGoogle Nest Hub×Netflixも、Netflixが備える「次のエピソードを観る」機能を使って、ドラマやアニメの連続再生が行えるのは便利だ。
後はとにかく、せっかくディスプレイを備えているのだから、音声操作に固執せず、画面での操作を充実させることだろう。手が離せない時に音声で操作できるのは確かに便利だが、それは副次的な手段であって、スマートディスプレイはまずタッチスクリーンで操作できてしかるべきだろう。現状、Google Nest Hubはスクリーンを情報表示用と割り切っている節があり、そうした点で疑問だ。今後の展開を見守っていきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.