続いて「3DMark」を使って3Dグラフィックスの描画パフォーマンスをチェックする。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strike」と、DirectX 12ベースの「Time Spy」の2種類でベンチマークを取った。総合スコアは以下の通りだ。
GPUがGCNアーキテクチャの「Vega」ベースであることもあって、CPUに統合されたGPUとしては非常に良好なスコアを記録した。AC電源をつないだ状態なら、DirectX 11ベースの3Dゲームをそこそこ楽しめそうだ。
最後に、「CrystalDiskMark 7.0.0」を使ってストレージのパフォーマンスを確かめる。
今回試したモデルにはSamsung Electronicsの「MZVLB256HBHQ-000L7」というSSDが搭載されている。これに対して、デフォルト設定のまま読み書き速度のテストを行った。
シーケンシャル(Q8T1)の書き込みは毎秒3605.66MB、読み出しは毎秒2347.92MBとなった。ランダムの読み書きも比較的高速だ。
最近はPCI Express接続のSSDを搭載するノートPCも珍しくなくなったが、コストの都合でシーケンシャルの読み書き速度が毎秒1G〜2GB程度のスペックのものを搭載するケースが多い。そんな中、本体価格の割に高速かつOPALまで備えるSSDを搭載していることに筆者個人としては驚いた次第である。
短い時間ながら、ThinkPad X13 Gen 1のAMDモデルを通してRyzen PRO 5 4650Uを試してきた。
AMDのAPUといえば、以前は「GPUの性能は良いが、CPUの性能が振るわない」という傾向にあった。実は以前、筆者にもAPU搭載ノートPCを使った時期があるのだが、あまりの「グラフィックス番長」ぶりに、それ以降はたとえGPU性能に劣るとしても、もっぱら“実用的な”Intelプロセッサを搭載するノートPCを選ぶようになった。
しかし、今回のレビューを通して、AMDのAPUを搭載するノートPCも実用的な選択肢になったと実感した。「どうしてもThunderbolt 3が必要である」「1〜2コア動作時のCPUパフォーマンスこそ重要である」といった強いこだわりがないなら、Intelモデルでなくても構わないのではないかと思う。
ただ、PCMark 10のテストでも見られるように、「バッテリー駆動時にパフォーマンスが大きく落ち込む」という弱みもある。ただし「持ち歩くときはパフォーマンスよりもバッテリー持ち」と考えるならば、理にかなった実装であるともいえる。実際、WordやExcelで作業をしたりWebサーフィンを楽しんだりする際には特に支障もない。
強みと弱みをしっかり吟味できるなら、第3世代Ryzen Mobileプロセッサを搭載するノートPCはお勧めできる。ノートPCの買い換えを検討しているなら、先入観を捨てて積極的に選択肢として加えてみよう。
プレミアムビジネスノートPC向け「第3世代Ryzen PRO」のラインアップが判明 Lenovoが「ThinkPad」に採用
Zen 2+Vega(7nmプロセス)=第3世代Ryzen Mobile
CPUとGPUの両方でライバルを“圧倒” AMDが新型「Ryzen」「Radeon」をアピール
8コア16スレッドで競合製品を抜き去る! Zen 2に移行した第3世代「Ryzen Mobile」の実力Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.