本体の特徴を一通り紹介した所で、ベンチマークテストを通して処理能力などをチェックしていく。テスト中の電源設定はデフォルトのままとし、ディスプレイの輝度は最大の状態とした。
まず、PCの総合性能をチェックする「PCMark 10」を使って日常における使い勝手をチェックする。通常テストの結果は以下の通りだ。
参考に、Core i7-10510U(1.8G〜4.9GHz、4コア8スレッド)を搭載する「ThinkPad X1 Carbon(Gen 8)」で以前に実施したテストの結果も掲示する。
CPUのコアやスレッドの数が多いことと、GPU(Radeon Graphics)の性能が高いことが相まって、ThinkPad X13 Gen 1の方が良好なスコアとなっている。ただし、Productivityでは他の項目ほど大きな差が付いていない。
さらに、通常テストに加えてゲーミング性能もチェックできるExtendedテストも実施した。結果は以下の通りだ。
こちらも、参考にThinkPad X1 Carbon(Gen 8)の結果を掲載する。
Productivityが落ち込んだことを除けば、通常テストと同じ傾向だ。何における快適さを重視するのかにもよるが、Ryzen 5 PRO 4650Uでも十分快適に使えるということは分かる。
加えて、バッテリーの連続駆動時間をチェックできる「Modern Office Battery Life」テストも実施した。満充電から残量5%になるまでの稼働時間は、10時間48分となった。公称の連続稼働時間は最大約13.9時間(JEITA 2.0基準)なので、非常に上出来といえる。
……のだが、少し気になる点もある。まず、バッテリー駆動時にディスプレイの輝度が低くなった。テスト中に「あれ、輝度を最低にしたのかな?」と思い設定を見直したのだが“最高”で間違いなかった。
先述の通り、今回の検証では電源設定を一切いじっていない。設定を変えれば明るくなるのかもしれないが、時間の制約からそこまで確かめることはできなかった。
また、バッテリー駆動時に思ったほどパフォーマンスが上がらないことも気になった。Modern Office Battery Lifeテストでは、バッテリー駆動時の処理能力を「Performance」として数値化する。ThinkPad X13 Gen 1ではこの値が4811だったのだが、Core i5-8210Y(1.6G〜3.6GHz、2コア4スレッド)を搭載する「MacBook Air(2019)」におけるスコアと大きく変わらなかったのだ。
先日、Intelは第3世代Ryzen Mobileプロセッサはバッテリー駆動時のパフォーマンスを大きく制限していると主張したが、ある意味でこのことを裏付ける結果ともいえる。もっとも、バッテリー駆動時にパフォーマンスを求める人がどのくらいいるのかという問題もある。それでも、第3世代Ryzen Mobileプロセッサを搭載するノートPCの購入を検討している人は、この傾向は頭の片隅に置くべきだろう。
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