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» 2020年10月15日 15時30分 公開

魅力のディテールを整理:「映像美」を再定義するiPhone 12シリーズの新たな可能性 (4/6)

[林信行,ITmedia]

最高のカメラがさらに進化、ProではLiDARを搭載

iPhone 12 新しい7枚構成のレンズと広角カメラにより、明るさが足りない場面でも、より明るい写真やビデオが撮影できる

 もう何年もの間、新型iPhoneの発表で、最も進化が注目されるのはカメラ性能の向上だが、今回も2シリーズ4モデルの全てでカメラ性能が劇的に向上している。

 まずは各モデルのカメラの仕様を確認してみよう。iPhone 12およびminiは、レンズが2つのデュアルレンズシステムを採用する。1200万画素で、50mm換算の13mm、120度の範囲が写る超広角レンズと26mmの広角レンズの組み合わせというのは、2019年のiPhone 11と同じだが、実はこの広角レンズがiPhone史上最も明るいf/1.6という性能のレンズになっている。これとひずみをなくす7段構成のレンズの組み合わせで、暗所での光の取り込みが従来よりも27%向上した。写真だけでなく、ビデオもより明るく撮れるようになっているという。

 また、複数のレンズで撮影した映像を合成して、圧倒的な解像感の写真を撮影するDeep Fusion技術や、暗いところでも驚くほどきれいに撮影できるナイトモードは、これまで超広角レンズを選んでいるときは利用できなかったが、新たに全てのレンズで利用できるようになる。

iPhone 12 超広角レンズがナイトモードの撮影に対応。超広角がしっかりと捉えた壁や天井にネオン光がうっすらと反射している様子も自然に写っている

 逆光での写真など、明暗差が大きい写真をきれいに見せるHDR技術もスマートHDR 3に進化した。機械学習で、撮影したのがどのようなシーンかを認識し複雑なシーンでも必要な箇所にだけ補正を加えることで自然な写真に仕上げてくれるという。同様に写真をセグメントに分割して、きめ細やかな補正を加える進化はポートレートモードにも施されているという。

 また、レストランで食べ物の写真などを撮影する際、店が暗い暖色系の照明を使っていて食べ物にその色味がかぶってしまうことが多いが、iPhone 12のカメラは自動的に色味(ホワイトバランス)を調整してくれる(そのままの色味がいい場合には、補正をなくすこともできる)。

 サンプルの写真を見てもらえば分かる通り、実は一般ユーザー向けのiPhone 12でも、昨年のiPhone 11 Proに負けないきれいな写真が撮れそうだ。

iPhone 12 スマートHDR 3によって複雑なシーンでもより現実の世界に近い写真を撮影でき、機械学習がさまざまな場面をとらえ、必要に応じてシャープネス、カラー、トーンを調整する

 では、プロ用をうたうiPhone 12 Proではどうなるのか?

 iPhone 12 Proは、このiPhone 12のカメラに52mmの望遠レンズが加わっただけに見える。だが、実はそれに加えてLiDARという暗いところでも正確に距離が測れるセンサーが追加されたおかげで、オートフォーカスのスピードが速くなる。これまでのiPhoneでは、暗いところではなかなかピントが合わないといった経験をした人が多いかもしれないが、iPhone 12 Proでは最大で6倍も速くピント合わせができる。

 さらには、このLiDARによる距離測定を使って暗いところでもポートレート撮影(被写体と背景を識別し、後から背景だけをぼかすなどの加工ができる)することも可能だ。

iPhone 12 超広角レンズがナイトモードの撮影に対応し、LiDARの利用でナイトモードでも、しっかりと被写体と背景を区別したポートレートモードの撮影ができるようになった

 しかし、これは序の口で、iPhone 12 Proをさらに「Pro」らしく感じさせる機能「Apple ProRAW現像」という技術が、製品発売後の2020年内中にリリース予定だ。

 iPhoneの写真が驚くようにきれいなのは、シャッターを切った瞬間に何枚も写真を撮り、少しずつ設定を変えて撮って、それらの写真の良い部分だけをiPhone内のAIが選んで合成しているからだ。RAWファイルというのは、そういった合成をする前の生データのことだが、この機能の提供が始まると、写真が合成前の生データとどういった合成をしたかのデータのセットという形で保存される。そしてiPhone標準の写真アプリで、AIに成り代わって、写真を自分好みの色だったりスタイルに合成し直したりすることができるのだ。

iPhone 12 Apple ProRAWが利用可能になれば、写真の品質を一切損なうことなく、自分好みの色味や明るさで現像できるようになる

 iPhoneで本格的な写真や映像を撮ろうと思っている人には、これだけでもかなり魅力的だが、さらに本格的な撮影がしたい人にはiPhone 12 Pro Maxが抗しがたい魅力を放っている。

 また、トリプルカメラ構成なのはiPhone 12 Proと同じだが、望遠カメラが65mm仕様になっているのだ。これまでのiPhone Proシリーズが搭載してきた52mmのカメラは、広角レンズに対して2倍のズームとなっているが、Pro Maxでは2.5倍で、より被写体に迫った撮影ができる。

 広角レンズも26mmというところだけを見るとiPhone 12 Proと同じだが、本体サイズに余裕があるので、これまでよりも47%大きいセンサーを内蔵した。これでセンサー上の1ピクセル(1つの点)の大きさが1.7μmと大きくなった(iPhone 12 Proは1.4μm)。つまり、それだけたくさん光を集めやすくなっているのだ。

 そのため、暗い場所での撮影性能が写真でも動画映像でも87%もアップしているという。これだけでもMaxを選ぶ大きな理由になりそうだが、さらにセンサーを動かして手振れを補正するというセンサーシフト式光学手振れ補正も採用と、iPhone 12 Proとの比較でも大きくカメラ性能に差をつけている。

 そして、この優れたカメラ性能が、動画映像の撮影でさらに真価を発揮する。

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