空気感で追う新型コロナと秋葉原自作街――アキバの1年を振り返る【前編】2020年のアキバまとめ前編(4/4 ページ)

» 2020年12月29日 12時00分 公開
[古田雄介ITmedia]
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9〜12月:ニューノーマル慣れした街に影を落とす、年末の感染急拡大

 新型コロナウイルスは、街の再編を加速させた側面もある。5月にテクノハウス東映はラジオデパート店と統合し、ドスパラ系列店も秋葉原本店に上海問屋フロアと中古買い取り/サポートフロアを統合して10月にリニューアルしている。

 ツクモ各店も5月の12号店に加え、2020年1月にオープンしたばかりのツクモ秋葉原駅前店も8月末に閉店。9月にツクモDOS/Vパソコン館も「ツクモパソコン本店リユース館」と名称を新たに再スタートを切った。

9月に閉店したドスパラ秋葉原別館前には、移転リニューアルの案内看板が置かれていた
ツクモ12号店の跡地は、9月末にパソコン工房 秋葉原2号店となった

 店の並びが新たになったアキバは、すっかりwithコロナのスタイルが定着したように見える。熱中症リスクが落ち着いてからは、往来でマスクを付けるのが当たり前となり、誰に言われずとも入店時にアルコール消毒するユーザーの姿が一般的になった。

 とはいえ、週末などの集客イベントはいまだ開催される機会が少なく、人を多く集める企画は秋以降も控える傾向が残っている。その自粛を促す流れは、11月半ばから新型コロナの第3波の到来がささやかれるようになって、より強まった感がある。

 例えば、11月下旬にはオリオスペックのイベントスペースでeスポーツ向けブランド「NINJA RATMAT」の試遊イベントが開かれたが、コロナ禍の状況を鑑みて2日開催の予定を1日に切り詰めている。また、11月から12月にかけて発売されたRadeon RX 6000シリーズのオリジナルクーラーモデル発売時は、入荷数が少ないことや長時間多くの人を集めるリスクなどを考慮して、オンライン販売のみに切り替えるショップも複数あった。

11月20日に開催された竹内型材研究所のeスポーツ向けブランド「NINJA RATMAT」の試遊イベント
12月初旬、大型新製品の販売をオンラインのみに絞る告知POPが見られた。パソコンSHOPアークで撮影

 そして、年末年始に関してもあるショップは「初売りセールなど、大々的なイベントは控えるように上部から言われています。営業は例年通り行いますが、できるだけ普通の日と同じようにすると思います」と話していた。本当の意味で新型コロナと共存する日常は2021年に訪れるのかもしれない。

12月25日夕方の秋葉原中央通り。往来はかなり回復している感がある

 ■https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2012/30/news029.html

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