AMDは3月15日(米国東部時間)、サーバ/ワークステーション向けのCPU「EPYC(エピック) 7003シリーズ」(第3世代EPYC、開発コード名:Milan)を発表した。同日から出荷を開始する。
第3世代EPYCは、デスクトップPCやノートPC向けのRyzen 5000シリーズ(ノートPC向けは一部を除く)と同様にZen 3アーキテクチャを採用したことが特徴だ。全てのモデル(SKU)がDDR4-3200メモリ(最大8TB)をサポートし、128レーンのPCI Express 4.0バスを用意している。CPUソケットは「Socket SP3」だ。
Zen 3アーキテクチャではCPUコアとL3キャッシュの共有構造に改良を加えることで、L3キャッシュにアクセスする際に生じうるボトルネックを軽減した。基本的な考え方は先行するデスクトップPC向けRyzen 5000シリーズと同様である前世代の「EPYC 7002シリーズ(第2世代EPYC)」と比較すると、IPC(クロック当たりの実行可能命令数)が最大で19%向上している。結果として、より高速な計算を求められるHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)用途はもちろん、サーバ上で稼働するアプリケーションや仮想マシン(VM)もより快適に使えるという。
YouTubeでライブ中継された発表会では、先代の「EPYC 7002シリーズ(第2世代EPYC)」に加えて競合のIntelの「Xeonプロセッサ」との比較を多数交えつつ、その性能的優位性をアピールしていた。
整数演算の性能では、EPYC 7763(2.45GHz〜3.5GHz、64コア128スレッド)はXeon Gold 6258R(2.8GHz〜4GHz、28コア56スレッド)と比べて2倍以上の性能を発揮するという(2CPU構成時の比較、以下同)第3世代EPYCは「スケーラビリティに優れる」ことが特徴で、コアの数、キャッシュの総容量、TDP(熱設計電力)が異なるモデルが多数用意されている。ラインアップは以下の通りだ(TDPは標準値、キャッシュ容量はL3キャッシュのものを記載)。
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