Apple Arcadeでは、月額で税込み600円(Apple Oneなら1100円〜)を支払えば、家族6人まで良質なゲーム180タイトル以上がプレイし放題になる。しかも、同じゲームがiPhoneやiPadはもちろん、MacやApple TVでも楽しめ(後で取り上げるクラシックコレクションと、App Storeグレイツに含まれるタイトルはiPhoneとiPad限定)、クラウドを通して他の機器で続きをプレイすることも可能になる。
「良質なゲーム」というからには、アイテム課金もなければ、広告表示もない。ゲーム中に使うアイテムなどが鍵となるゲームでは、ゲーム内の通貨を使ったり、しばらく待つと使えるようになったりするといった工夫がされており、追加料金を払った人だけが良い結果を出しやすいといった“ズル”は行われず、アイテム課金は一切ない。
ゲームタイトルによっては、時折、アップデートによってシナリオやレベルの追加などが行われることもあるが、それに関しても追加料金を支払う必要はない。
例えば過去にも何度か紹介しているミストウォーカーの「ファンタジアン」のように、ジオラマセットを使うなど膨大な手間をかけて数年がかりで開発されるゲームもある。ゲーム開発各社は、その開発費用をどうやってまかなうのか。そう、Appleが支払うのだ。
Netflixが日本のアニメ業界を応援すべく、お金をかけて日本のアニメ制作を支援し、それを海外でも展開する手助けをしているように、Appleがファイナルファンタジーの生みの親である坂口博信氏や人気ゲーム「みんなのGOLF」の開発者であるクラップハンズ代表の村守将志氏、2021年に20周年を迎える日本を代表するゲームの「太鼓の達人」を開発するバンダイナムコエンターテインメントなど、日本のビデオゲームの代表格とも言えるゲームクリエイターらに声をかけ、パトロンとしてじっくり時間をかけて質を追求したゲームを作るように支援している。
こうして開発された良質なゲームが4月2日、大型タイトルを含む一挙30タイトルが加わって180本を突破した。
Apple Arcadeに登録されているゲームは、3種類に大別される。
1つ目は、「クラシックコレクション」だ。チェスやソリテア、バックギャモン、数字パズルなど定番のパズルゲームやボードゲームが多数登録されている。
2つ目は「Apple Storeグレイツ」だ。App Storeなどでアワードの受賞歴がある名作ゲームが、Apple Arcadeバージョンとしてアップデートされ登録されている。
「Fruit Ninja」や「Monument Valley」、「Threes!」、「Mini Metro+」などのタイトルは知っている人も多いだろう。知らない人も、だまされたと思ってプレイしてみて欲しい。「なるほど、確かにこれはすごい!」とすぐに分かる。
そして3つ目が「Arcadeオリジナルズ」だ。Apple Arcadeのために新たに作られた大型タイトルや、人気シリーズのApple Arcade版が楽しめる。
4月2日に新たに追加されたタイトルの中でも、特に大きな注目を集めている日本発のタイトルは以下の4つだ。
ファイナルファンタジーの生みの親、坂口博信氏が、最後は感動してフィナーレを迎えられるようなスタンダードな作りの大作RPGに、作曲の植松伸夫氏など往年の仲間と一緒に取り組んだ注目作品。ジオラマ撮影という手間のかかる手法で新しい映像表現に臨んだ他、敵とのバトルのやり方でも新しいアイディアを追加している。
大ヒットゴルフゲーム、「みんなのGOLF」を開発したゴルフゲーム専業メーカーによる新たな挑戦作。iPhoneやiPadでは初めてのタッチパネル操作ということで「アナログフリックショット」という操作法を発明した。操作が自然でプレイしやすいこともあり、本作を代表作としてゲーム名に社名を冠したほどの入れ込みようだ。1ホールごとにキャラを変えてプレイするという独自ルールでゲーム要素を強くしている。
2021年で20周年を迎える定番タイトル。和太鼓リズムゲームが、20周年記念事業の1つとしてApple Arcadeに対応した。13言語、世界170カ国に対応したり、ネットワーク対戦を実現したり、プレイすることで得られるアイテムでキャラクターの「どんちゃん」の着せ替えをして個性をアピールする機能などが加わっている。なお、ネットワーク対戦では近くにいる友達と対戦するモードもある。
鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に描かれた、100種類以上の妖怪たちが墨絵そのままのイメージで登場する純和風スタイルのゲーム。時には妖怪たちを口寄せして一緒に敵と戦ったり、大事な場面で助けを得たりすることもあるという。
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