Tiger Lakeに有機ELディスプレイ搭載のプレミアム2in1モバイルPC「ZenBook Flip S UX371EA」を試す(2/5 ページ)

» 2021年04月13日 12時00分 公開
[マルオマサトITmedia]

先進のTiger Lakeシステムを採用

 CPUは、IntelのCore i7-1165G7を搭載している。Tiger Lakeという開発コード名で知られるモバイル向けの第11世代Coreプロセッサの中では上位のモデルにあたり、4コア8スレッドで最大周波数が4.7GHzというスペックだ。

 このTiger Lake世代では、プロセスルールの改良などによりCPUコアの周波数が高くなっているのに加え、内蔵GPUが「Intel Iris Xe Graphics」となり、従来のグラフィックス機能や性能が大幅に向上している。

 また、AI処理にフォーカスした新技術が数多く導入されている点も見逃せない。拡張命令(DL Boost:OpenVINO/DP4a)を通して、CPUだけでなく内蔵GPUも使ってAI推論演算を実行できるようになっており、Intelによれば、先代(Ice Lake)比で約5倍のAIパフォーマンスを実現しているという。

 もっとも、これを生かすにはソフトウェアのOpenVINO/DP4a対応が必須となる。今すぐ効果が出る処理は限定的だろうが、将来的にはかなり効いてきそうなポイントだ。

 メモリは、超高速かつ省電力のLPDDR4X-4266を16GB搭載する。Intel Iris Xe Graphicsのパフォーマンスはメモリ性能にも左右されるが、これならフルに性能を引き出せるであろう。

 データストレージは1TBのNVMe SSD(PCI Express 3.0 x4)で、評価機はWestern Digitalの「WDC PC SN730」を備えていた。PCI Express 4.0対応ではないが、シーケンシャル読み出しが毎秒3400MB、シーケンシャル書き込みも毎秒3100MBと高速なハイエンドクラスのモデルだ。

ZenBook Flip S UX371EA CPUにはCore i7-1186G7を搭載している。開発コード名「Tiger Lake」で知られる第11世代Coreプロセッサのモバイル向け主力モデルだ
ZenBook Flip S UX371EA HWiNFO 64の詳細表示。PL1は35W、PL2は51Wと表示されている
ZenBook Flip S UX371EA Intel Iris Xe Graphicsは、CPU内蔵GPUとしては、強力な3D描画パフォーマンスを持つ。本製品は高速なLPDDR4X-4266を搭載しているため、その性能をしっかりと発揮できる
ZenBook Flip S UX371EA ストレージはPCI Express 3.0 x4(NVMe)対応のSSDを1TB備える。評価機は、Western Digitalのハイエンドモデル「WDC PC SN730」だった
ZenBook Flip S UX371EA CrystalDiskMark 7.0.0(ひよひよ氏・作)のスコア。読み出し/書き込みともに公称値に近いスコアだ

超広色域に対応するプロクオリティーの有機ELディスプレイ

 13.3型の画面は有機ELディスプレイを採用している。液晶分子をバックライトのシャッターとして使う液晶ディスプレイに対し、有機ELディスプレイでは、画素を構成する素子自体が発光するため、色の表現や精度で大きな優位性がある。

 本製品は、この優位さを生かし、最大輝度500ニト、最低輝度0.0005ニト、視野角は左右170度、応答速度1ms、コントラスト比10万:1と、モバイルPCとしてはこれまでにないハイスペックを実現している。

 さらに映像業界の標準で、Appleも支持するDCI-P3の色域を100%カバーする他、正確な色再現ができることを示すX-Rite PantoneのPANTONE認証も取得しており、コンテンツ制作者の意図通りの色を再現可能だ。VESAが定めるHDR向けディスプレイの規格「DisplayHDR 500 True Black」にも対応しており、HDR対応の映像コンテンツでは極上のビジュアル体験が味わえる。

 本製品の有機ELディスプレイは、ブルーライト比率の管理により、液晶ディスプレイに比べてブルーライトを約70%カットしているという。これについても、第三者機関である独「TUV Rheinland」(テュフ・ラインランド)の認定を受けているそうだ。なお、タッチパネルも搭載しており、画面に指で直接触れての操作も行える。

ZenBook Flip S UX371EA 画面解像度は3840×2160ピクセルに対応する13.3型の有機ELディスプレイを採用。ドットが見えない精細さに加えて、有機ELならではの鮮やかな発色、メリハリの利いた美しい表示が印象的だ
ZenBook Flip S UX371EA エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」の測定結果。輝度は374ニトだった
ZenBook Flip S UX371EA エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」を用いて作成したICCプロファイルをPhonon氏制作の色度図作成ソフト「Color AC」で表示したところ。実線が本製品の色域で、点線で示したDCI-P3の色域を大きく上回っている(面積比116%)。グレーはsRGBの色域でこれも当然100%カバーする。なお、Adobe RGBカバー率は97.9%だった
ZenBook Flip S UX371EA タッチパネルも搭載しており、画面に指で直接触れての操作が可能だ。手書きや付属のペンで文字や図形、イラストを描くこともできる
ZenBook Flip S UX371EA MPP 2.0対応のペンが付属する。重量は約20gで、4096段階の筆圧検知に対応しており、細かい描画が行える。描き味はやや固めの印象を受けた

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