ベンチマークテストの結果を見よう。評価機の仕様は4コア8スレッドのCore i7-1165G7(2.8GHz〜4.7GHz)、メモリがLPDDR4X-4266の16GB、グラフィックス機能がIntel Iris Xe Graphics、ストレージが1TBのNVMe SSD(Western Digital WDC PC SN730)、4K有機ELディスプレイという構成だ。
My ASUSで設定できるファンモードは、パフォーマンスとスタンダードの2種類で測定した。特に断りがない場合、パフォーマンスモードを基準に言及する。また、比較対象として、6コア6スレッドのRyzen 5 4500U(第3世代Ryzen、2.3GHz〜4.0GHz)を搭載した「HP ProBook X360 435 G7」、筆者所有のThinkPad T480s(2018年発売モデル)のスコアも記載している。
CPUのマルチスレッド性能の目安になるCINEBENCH R20のCPUスコアは1779だ。4コア8スレッドのCPUとしてはかなり良いスコアではあるが、6コア6スレッドのRyzen 5 4500U搭載機からは少し離されている。一方、シングルスレッド性能の目安となるCPUシングルコアのスコアではRyzen 5 4500Uを大きく上回る。第8世代のCore i5からは1.55倍以上と、しっかりと進歩は感じられる。
PCMark 10では、日常操作のEssentialでRyzen 5 4500U搭載機に大きく差をつける一方、ビジネスアプリのテストであるProductivity、クリエイティブアプリでコンテンツ制作を行うDigital Content Creationでは分が悪い。Productivityで振るわないのは、最後のOpen CLテストのスコアが足を引っ張っているためで、Intel Iris Xe Graphicsのドライバ更新で改善される可能性はある。
3DMarkのスコアは、FireStrike、SkyDiverともに本製品が圧勝している。LPDDR4X-4266対応の高速メモリを搭載しており、Intel Iris Xe Graphicsの3D描画性能をきっちりと引き出している。
FINAL FANTASY XIV:漆黒のヴィランズベンチマークも同様の結果だ。フルHD解像度でも「とても快適」評価と、これまでの内蔵GPUにはない水準の性能を備えているのが分かる。
バッテリーに関するテストとして、PCMark 10/Modern Office Battery Lifeを実行した。ファンモードはスタンダード、ディスプレイの輝度は50%で測定した結果は9時間9分だった。約13.4時間という公称値よりはかなり短いが、4K解像度の有機ELディスプレイを搭載した製品としては健闘している。
また、バッテリー駆動中のパフォーマンスを測定するBattery Life Performanceでは、7000超えの高いスコアを記録した。このテストは、EssentialsとProductivityに含まれるテストで構成されているが、日常的な操作をキビキビと快適に利用できることが分かる。
また、このテストではRyzen 5 4500U搭載機を大きく引き離している。このバッテリー駆動中のパフォーマンスの傾向(Intelは速く、Ryzen Mobileは低下が大きい傾向)についてはIntelがたびたび主張しているが、それを裏付ける結果となっている。
ボディーの発熱は、排気口のあるボディー奥側となるヒンジ部あたりが中心だ。ファンクションキーのキートップは38.8度だったが、常時手が触れるパームレストは体温以下の温度にとどまっており、放熱もうまくできている。
動作音も、モバイルPCとしてはごく普通の挙動という印象だ。アイドル時や低負荷時は無音に近いが、高負荷時は少し目立つ音になる。パフォーマンスモードの方が少し負荷に対する反応が敏感な傾向はあるが、ゲームなどではどちらもあまり変わらない。
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