じか付けスタンドで縦置きも可能な15.6型モバイルディスプレイ「VG1655」を試すモバイルディスプレイの道(3/3 ページ)

» 2021年05月20日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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背面に装備されたスタンドのメリット/デメリット

 さて、本製品の特徴は、日本マイクロソフトのSurface Proシリーズと同じように、ボディー背面にスタンドを用意していることだ。多くのモバイルディスプレイで採用されているカバー兼用スタンドは、バッグの中から取り出して設置が完了するまでに時間がかかることに加え、本体込みだとかなりの重量になるのが難点だ。

 その点、本製品はフォトフレームのようにスタンドが背面に折りたたまれているので、広げるだけですぐにセットできる。角度調節も容易で、天井の蛍光灯が映り込む場合でも微調整をしやすい。持ち歩き時には保護機能があるバッグが別途必要とはいえ、本体+スタンドで実測823gという軽さは利点だろう。

 一方でこのスタンドはアルミ製で、ゴム脚などは付いていないため、テーブルの表面に傷がつかないか気を遣う。画面カバーを敷いてその上に乗せるか、あるいはやや不格好になるが、滑り止めの効果も兼ねてビニールテープなどを貼ってやれば、より安心して使えるようになるかもしれない。

 メーカーの製品ページには、縦置きをサポートすることが書かれているが、特に自動回転などのギミックは備わっていない。専用ソフト「ViewSplit」に該当の機能がないか試そうとしたが、筆者の環境では本製品自体を認識しなかった。縦置きで使う場合は、PC側で表示を縦方向に設定するか、本製品のOSDメニューから縦表示に切り替えて使うことになる。

VG1655 ボディー背面にあるスタンドを開いた状態。任意の角度でピタッと止められ、安定性は高い
VG1655 スタンドを90度まで開くことで、縦置きにも対応する
VG1655 この写真ではPCの右側に配置しているが、どちらかというと左側に配置した方が、ベゼルが邪魔をしなくて済みそうだ
VG1655 ウィンドウの配置を記憶できる専用ソフト「ViewSplit」だが、筆者の試用環境(USB Type-C接続)では本製品を認識できなかった。ちなみに英語版での提供となる

機能的には及第点だが価格はもう一声ほしい

 本製品は、見た目こそやや厚みがあり、スタイリッシュとは言い難いが、基本性能をしっかり抑えており、角度調節がしやすいスタンド、使い勝手のよいジョイスティックなど、実用性は高い。また、他社製品は保証期間1年であることが多い中、本製品は液晶パネルとバックライトを含めて3年のフル保証が付属するのも利点だ。

 ただし実売価格は税込み2万7千円前後と、タッチ非対応の15.6型としては必ずしも安価なわけではない。致命的な欠点がない反面、何らかの突出した特徴があるわけでもないので、価格面はもう一声ほしいというのが正直なところだ。

 なお本製品の兄弟モデルとして、ほぼ同じ特徴を持ちつつタッチ操作に対応した「TD1655」も用意されている。現時点での実売価格の差は千円あるかないかなので、本製品の購入を考えているならば、こちらも合わせて候補に入れて検討することをお勧めする。

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