RDNA2ベースのノートPC向けGPU「Radeon RX 6000Mシリーズ」登場 搭載PCは順次登場COMPUTEX TAIPEI 2021

» 2021年06月01日 12時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは5月31日(米国東部時間)、ノートPC向けGPU「Radeon RX 6000Mシリーズ」を発表した。搭載製品はPCメーカーを通して6月から順次登場する予定だ。

搭載製品たち Radeon RX 6000Mシリーズを搭載するノートPCは6月から順次登場する予定となっている

Radeon RX 6000Mシリーズの概要

 Radeon RX 6000Mシリーズは、先行するデスクトップ向けの「Radeon RX 6000シリーズ」と同様に7nmプロセスの「RDNA2アーキテクチャ」に基づいて製造される。新しいキャッシュメモリ「Infinity Cache」の搭載や、PCI Expressバスを介してCPUがグラフィックスメモリにフルアクセスできる「Smart Access Memory(Resizeable BAR)」のサポートなど、主要な特徴はデスクトップ向けと同様だ。

 AMDによると、Radeon RX 6000Mシリーズは従来の「Radeon RX 5000Mシリーズ」と比較すると最大1.5倍の処理パフォーマンスを持ちながら、消費電力を最大43%削減している。その結果、ゲームプレイに割ける電力を最大1.77倍引き上げられたという。

アーキテクチャ RDNA2アーキテクチャの採用により、パフォーマンスを向上しつつも消費電力を削減できた

ラインアップは3種類

 Radeon RX 6000Mシリーズは、最上位の「Radeon RX 6800M」、中位の「Radeon RX 6700M」、下位の「Radeon RX 6600M」の3種類が用意される。AMDの資料によると、Radeon RX 6700Mを搭載するノートPCの出荷は少しだけ遅れるようだ。

Radeon RX 6800M

 Radeon RX 6800Mは「ノートPC向けのRadeonとしては史上最速」をうたい、1440p(WQHD、2560×1440ピクセル)で最高画質かつ高フレームレートでゲームを楽しめる性能を確保しているという。主なスペックは以下の通りだ。

  • 演算ユニット(CU)/レイアクセラレーター:40基
  • ゲームクロック:2300MHz
  • グラフィックスメモリ:12GB
  • Infinity Cache:96MB
Radeon RX 6800M Radeon RX 6800Mの仕様
Radeon RX 6800MのFPS 多くのゲームにおいて、1440pの最高画質でプレイしても120fps以上の最大フレームレートを確保できるという
RTX 2070との比較 NVIDIAの「GeForce RTX 2070」を搭載するノートPCとの最大フレームレート比較。買い換えに最適なのはRadeon RX 6800Mを搭載するノートPCであるとアピールする
RTX 30シリーズとの比較 NVIDIAの「GeForce RTX 30 Laptopシリーズ」と比べても同等か、それ以上のフレームレートを出せるという
バッテリー駆動時 GeForce RTX 3070と比べると、バッテリー駆動時のゲーミング性能は特に優れているという

Radeon RX 6700M

 Radeon RX 6700Mは「1440pゲーミングにおける傑作」をうたっており、多くのゲームにおいて1440pの高画質設定で100fps以上の最高フレームレートを確保できるという。主なスペックは以下の通りだ。

  • CU/レイアクセラレーター:36基
  • ゲームクロック:2300MHz
  • グラフィックスメモリ:10GB
  • Infinity Cache:80MB
Radeon RX 6700M Radeon RX 6700Mの仕様

Radeon RX 6600M

 Radeon RX 6600M「1080p(フルHD、1920×1080ピクセル)ゲーミングにおける傑作」をうたっており、多くのゲームで1080pの高画質設定でも高いフレームレートを確保できるという。主なスペックは以下の通りだ。

  • CU/レイアクセラレーター:28基
  • ゲームクロック:2177MHz
  • グラフィックスメモリ:8GB
  • Infinity Cache:32MB
Radeon RX 6600M Radeon RX 6600Mの仕様
Radeon RX 6600Mのフレームレート 1080pの最高画質設定において、同社がテストしたゲームの平均最高フレームレートは100fpsを超えたという
RTX 3060との比較 GeForce RTX 3060 Laptopとも同等か、上回るパフォーマンスを確保していることをアピールする

「AMD Advantage」でゲーミングノートPCのブランド化も

 Radeon RX 6000Mシリーズの発表に合わせて、AMDはゲーミングノートPCの設計フレームワークプログラム「AMD Advantage」を開始する。

 このプログラムに準拠するには、主に以下の要件を満たす必要がある。

  • モバイル向けRyzen 5000シリーズ(Hプロセッサ)を搭載すること
  • Radeon RX 6000Mシリーズを搭載すること
  • 最新のRadeon Softwareに対応すること
  • リフレッシュレート144Hz以上で、「FreeSync Premium」に対応する低遅延ディスプレイを搭載すること(※)
  • ディスプレイパネルの最大輝度を300ニト以上とすること
  • ディスプレイパネルの色域をsRGB比で100%、またはNTSC比で72%カバーすること
  • ゲーム中「WASDキー」の表面温度を40度以下に抑制すること
  • PCI Expresss接続(NVMe規格)のSSDを搭載すること
  • 動画視聴時のバッテリー持ちを10時間以上確保すること

(※)IPS液晶パネルまたは有機ELパネルを推奨

 AMD Advantageに準拠するゲーミングノートPCは、ASUS(ROGブランド)、HP(OMENブランド)、MSI、Lenovo(Legionブランド)から順次発売される予定だ。

主な特徴 AMD Advantageの主な要件(特徴)
4社から AMD Advantageに準拠するゲーミングノートPCは4社から発売が決まっている

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