今回のもう1つの密かなテーマは「ここで発表されるWindowsの位置付けがどうなるのか」という部分だ。
前述のように、Sun Valleyと呼ばれる新UIや機能を備えたWindowsが登場するというのは確実なのだが、これが「21H2」という“Windows 10”向けの大型アップデート(機能アップデート)として提供されるのか、あるいは「Windows 11」のような名称で新しいWindowsとして提供形態が変化するのかという部分で意見が分かれている。
ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏は、「Windows 10 21H2のようなアップデートの形では提供されず、よりコンシューマーをターゲットとした通常の“機能”アップデートとは異なる形」だと予想している。
つまり、今まで通り「November 2021 Update」のような名称で特定時期に全ユーザーに一斉配信されるようなものではなく、「コンシューマー市場をターゲットとした形の専用バンドル」のようなイメージに近いものだろう。
「Cloud PC」のような機能が登場するのではないかと話題になっているが、より「Microsoft 365 for Consumer」のような仕掛けをイメージするといいのかもしれない。
Sun Valleyにおけるコンシューマー向けとなるブランチの分岐の可能性についてはNeowinも言及しており、21H1とは単一のWindowsイメージを全てのユーザーに提供するのではなく、ターゲットに応じて(機能の)バンドルを変更する試みではないかとの推測だ。
それにともない、Windows(Windows 10)に新名称が登場するのではないかとの憶測も出ている。ほんの一例ではあるが、前出のボーデン氏が自身のTwitterアカウントで行っている名称アンケートにある「Windows 11」「Windows(番号なし)」のようなケースだ。
いずれにせよ、共通するのは「Windowsそのものは変化しないが、周囲の機能の組み合わせによりターゲットや利用体験が変化する」という拡張機能による差別化の考えだ。それを「全く新しいWindows」とするかは難しいところだが、「Windows Feature Experience Pack」みたいな概念も含め、6月24日までに出てくる情報で検証していきたい。
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