さてこのShowモードでは、どのようなことができるのだろうか。画面を右から左にスワイプすると、Echo Showと同じく、利用頻度の高い6つの機能へのショートカットが表示される。これらを使えば、音声で呼び出さなくとも、画面タップで任意の機能を呼び出して操作が行える。
Showモードでできる操作は、基本的にEcho Showと同じだ。中には、呼びかけに使うウェイクワードが、Echo Showの場合は4つの選択肢から選べるのに対して、本製品はAlexaとAmazonの2択しかないなど、機能が省略されている場合がある他、インカメラを監視カメラのように使うといった特殊な機能はないが、それ以外はおおむね同等と考えてよい。
ただしマイクの性能は、Echo Showとはかなりの差がある。聞き取り性能が最大になるようチューニングされているEcho Showと異なり、本製品はタブレットをベースとしているためか、マイクの性能は高くなく、至近距離から呼びかけてもなかなか反応してくれないことがある。
試した限りでは、従来モデルに比べかなり小さな声にも反応するよう改善されているように思えるが、それでもEcho Showやその他のEchoシリーズとは差がある。両者を同じ室内で併用すると、手前にある本製品ではなく遠くにあるEcho Showが応答することがあり、かなりのストレスだ。利用場所を分けるなどして対応するしかない。
さて本製品には、ワイヤレス充電スタンドと組わせてスマートスピーカーとして使うにあたり、多くのユーザーが混乱するであろう点が2つある。
1つは、Fireの画面にロックがかかった状態だと、スマートホームを操作しようとした場合に「端末をロック解除してください」と答えられ、操作が行えないことだ。
本製品は過去のモデルと異なり、セットアップ時にPINまたはパスワードの設定が必須な仕様に改められている。これは設定完了後に手動解除することも可能なのだが、これが有効のままだと、Showモードで天気を尋ねたり、音楽を再生したりするなどの基本操作はできても、スマートホームを操作しようとするとロック解除を求められる。これでは使い物にならない。
これを回避するには、ハンズフリーの設定にある「信頼できるネットワーク」を開き、現在接続中のWi-Fiを追加する。これにより、そのWi-Fiネットワークに接続している間は、ロックを解除しなくとも、スマートホームデバイスが操作できるようになる。例えば自分の部屋でのみ専用のSSIDを使うようにすれば、自室内での利用時は、前述の操作でロック解除が不要になる。
もっとも、Wi-Fiの電波が届く範囲は部屋単位で都合よく区切れるわけではなく、家族と共用している場合は混乱を招きかねない。また上記の設定を行っていても、ホーム画面を右から左へスワイプすることで表示されるメニューは、ロックがかかったままだと表示できない。
結果的に、やはりロックは解除しておいた方が使いやすいという結論になりがちだが、その状態では誰でもFireを操作できてしまうので、プライベートな性格が強いアプリ、具体的にはメールなどの利用はためらわれる。1人暮らしのユーザーならまだしも、こうした利用環境ごとの使われ方が、きちんと想定されていない印象を受ける。
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