さて本製品は、AlexaやGoogle Homeと連携して、「Echo Show」や「Google Nest Hub」といったスマートディスプレイから映像を見ることができる。
設定方法はどちらもほぼ同様で、各アプリで「SpotCam」との連携アプリをインストールし、それぞれのデバイスから検出を行うだけだ。後は「SpotCamを見せて」と呼びかけることで、カメラの映像が画面に表示される。
これらはAlexaおよびGoogle Homeに元々備わっている機能を使っているので、それゆえ可能なのはライブ映像の表示だけだ。過去の映像をさかのぼって見たり、また画面をスワイプして向きを変えたりすることもできない。
正確に言うと、スマホアプリ上でパン/チルトを行えば、それと連動してEcho ShowやGoogle Nest Hub上の映像も向きが変わるが、それならば最初からスマホアプリで見ればいいだけの話なので、あまり意味はない。
ネックとなるのは安定性、および遅延だ。今回、第2世代の「Google Nest Hub」と、Showモードに設定した「Fire HD 10 Plus」でそれぞれ試用したが、前者はきちんと映像の表示までたどりつけるのが2回に1回程度で、あとはフリーズしたままいつの間にか終了してしまう。表示できる場合も1分近く待たされてようやく表示される有様で、およそ実用的ではない。
一方のFire HD 10 Plusは、比較的スムーズに表示されるものの、少し目を離しているとすぐに終了してしまうので、継続しての監視には全く不向きだ。
ちなみに同等機能を搭載したTP-Linkのネットワークカメラ「C200」だと、接続にかかるのは数秒、かつ10分程度は継続視聴できる。映像の遅延も、TP-LinkのC200はせいぜい5秒程度なのに対して、本製品は10秒程度の遅れはざらにある。
これらの結果からも分かるように、AlexaおよびGoogle Homeを経由してのカメラ映像の視聴は、できるできないで言うと「できる」なのだが、実用性はいまひとつだ。素直に、スマホアプリを使った方がよいだろうし、スマートディスプレイから見ることを前提に本製品をチョイスするのは、あまりお勧めしない。
以上のように、スマートディスプレイとの連携ではややミソがついたが、カメラ本体の機能は豊富で、むしろ他社製品と比べても優秀な印象を受ける。24時間は無料で録画できるおトクなプランが付属することもあり、クラウド保存型のネットワークカメラを探している場合は、候補に入れておきたい製品だ。
気になるのはデータの保存先だが、「銀行レベルの暗号化とSSL技術」により、台湾のサーバーに保存するとされている。他社製品ではAES256ビットなど、具体的な暗号化の方法が記載されていることが多いが、本製品でそうした記述が(少なくとも目立つところには)ない。このあたりはもう少しユーザーが気にするポイントを把握し、不安を解消できる記述を心掛けてほしいと思う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.