フルHD/30fpsのネットワークカメラ「SpotCam Eva 2」の実力をチェックした実売約7千円で24時間のサーバ録画に対応(3/3 ページ)

» 2021年07月09日 17時30分 公開
[山口真弘ITmedia]
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スマートディスプレイでの映像表示は「とりあえず映るだけ」

 さて本製品は、AlexaやGoogle Homeと連携して、「Echo Show」や「Google Nest Hub」といったスマートディスプレイから映像を見ることができる。

 設定方法はどちらもほぼ同様で、各アプリで「SpotCam」との連携アプリをインストールし、それぞれのデバイスから検出を行うだけだ。後は「SpotCamを見せて」と呼びかけることで、カメラの映像が画面に表示される。

 これらはAlexaおよびGoogle Homeに元々備わっている機能を使っているので、それゆえ可能なのはライブ映像の表示だけだ。過去の映像をさかのぼって見たり、また画面をスワイプして向きを変えたりすることもできない。

 正確に言うと、スマホアプリ上でパン/チルトを行えば、それと連動してEcho ShowやGoogle Nest Hub上の映像も向きが変わるが、それならば最初からスマホアプリで見ればいいだけの話なので、あまり意味はない。

 ネックとなるのは安定性、および遅延だ。今回、第2世代の「Google Nest Hub」と、Showモードに設定した「Fire HD 10 Plus」でそれぞれ試用したが、前者はきちんと映像の表示までたどりつけるのが2回に1回程度で、あとはフリーズしたままいつの間にか終了してしまう。表示できる場合も1分近く待たされてようやく表示される有様で、およそ実用的ではない。

 一方のFire HD 10 Plusは、比較的スムーズに表示されるものの、少し目を離しているとすぐに終了してしまうので、継続しての監視には全く不向きだ。

 ちなみに同等機能を搭載したTP-Linkのネットワークカメラ「C200」だと、接続にかかるのは数秒、かつ10分程度は継続視聴できる。映像の遅延も、TP-LinkのC200はせいぜい5秒程度なのに対して、本製品は10秒程度の遅れはざらにある。

 これらの結果からも分かるように、AlexaおよびGoogle Homeを経由してのカメラ映像の視聴は、できるできないで言うと「できる」なのだが、実用性はいまひとつだ。素直に、スマホアプリを使った方がよいだろうし、スマートディスプレイから見ることを前提に本製品をチョイスするのは、あまりお勧めしない。

SpotCam Eva 2 スマートディスプレイとの連携は「スマートプラットフォーム」から行う(左)。Alexaは「SpotCam」スキルを有効にして連携させる(中央)。Google Homeは「デバイスの追加」で「SpotCam」を選択する(右)
SpotCam Eva 2 「ねぇGoogle、SpotCamを見せて」と声をかけるとカメラの映像が表示される
SpotCam Eva 2 実際には、このような画面のままフリーズしてしまうこともしばしば。特に今回試用したGoogle Nest Hub(第1世代、第2世代)はともに芳しくなかった
SpotCam Eva 2 スマホ経由で画角を変更することもできるが、それならば最初からスマホで見ておけばよい話なので、あまり意味はなさそうだ
SpotCam Eva 2 こちらはShowモードに設定したFire HD 10 Plusでの表示。Google HomeよりはAlexaの方が表示はスムーズだが、それでも不意に途切れるなどの症状はある
SpotCam Eva 2 TP-Linkの「C200」(右)であればこうしたトラブルもなくスムーズに接続できる。ただしC200はクラウド録画型ではなく本体のmicroSDへ録画するタイプなので、使い勝手自体はやや異なる

クラウド保存型のネットワークカメラとしては優秀な製品

 以上のように、スマートディスプレイとの連携ではややミソがついたが、カメラ本体の機能は豊富で、むしろ他社製品と比べても優秀な印象を受ける。24時間は無料で録画できるおトクなプランが付属することもあり、クラウド保存型のネットワークカメラを探している場合は、候補に入れておきたい製品だ。

 気になるのはデータの保存先だが、「銀行レベルの暗号化とSSL技術」により、台湾のサーバーに保存するとされている。他社製品ではAES256ビットなど、具体的な暗号化の方法が記載されていることが多いが、本製品でそうした記述が(少なくとも目立つところには)ない。このあたりはもう少しユーザーが気にするポイントを把握し、不安を解消できる記述を心掛けてほしいと思う。

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