ここからは、Ryzen 7 5700G/Ryzen 5 5600Gのパフォーマンスをベンチマークテストを通して確認していこう。
マザーボードのUEFIバージョンは、原稿執筆時点で最新とした上で、GPUドライバーも最新の「Adrenalin 21.7.2」とした。CPUに関するベンチマークについては、比較対象として先代のRyzen 7 PRO 4750Gもテストを実施している。
まずは、CPUレンダリング性能を計測する定番ベンチマークアプリ「CINEBENCH R23」の結果を見てみよう。
Zen 3アーキテクチャは、IPC(クロック当たりの実行命令数)が著しく改善している。同アーキテクチャを採用したことは効果てきめんで、マルチコアテストにおいてRyzen 7 5700GはRyzen 7 PRO 4750Gに比べて10%ほど高いスコアを記録した。6コア12スレッドのRyzen 5 5600Gは、さすがにマルチスレッドテストのスコアでは敗北するものの、シングルコアテストではしっかりと勝っている。
CPUとしての性能は、前世代から確実に向上していることが分かる。
続いて、PCの総合的な性能を計測するベンチマークアプリ「PCMark 10」の結果を見てみよう。
総合スコアがもっとも高かったのはRyzen 7 5700Gだった。CPUコア数の差もあり、次点はRyzen 7 PRO 4750G……と思いきや、コア数が少ないはずのRyzen 5 5600Gの方が総合スコアで上回った。
テスト別のスコアを確認してみると、Ryzen 7 5700Gは全てのスコアでトップに立っている。これは順当だろう。
Ryzen 5 5600GがRyzen 7 PRO 4750Gを引き離したのは、アプリ起動やブラウジングでの性能を測る「Essentials」や、オフィススイートなどでの作業性能を測る「Productivity」のスコアだった。これは、CPUコアのスペックアップがもろに影響した結果と見てよい。反面、画像や動画製作などクリエイティブ系の性能を見る「Digital Content Creation」では、コア数の多さとGPU性能が影響したようでRyzen 7 PRO 4750Gの方がスコアは良好である。
内蔵GPU性能にこだわらないのであれば、Ryzen 5 5600Gはかなり魅力的な選択肢となりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.