AMDは8月6日19時から、デスクトップPC向けのAPU(GPU統合型CPU)「Ryzen 7 5700G」「Ryzen 5 5600G」の市販用パッケージによる販売(いわゆる「ボックス販売」)を開始する。税込みの想定販売価格は、Ryzen 7 5700Gが5万1800円、Ryzen 5 5600Gが3万6800円となっている。
いずれのAPUも2021年4月に発表済みで、メーカー製PCに組み込まれる形で既に出回っているが、自作PCなどで利用できる市販品として改めて発売されることになる。この記事では発売に先駆けて、Ryzen 7 5700GとRyzen 5 5600Gの“実力”をチェックしていく。
Ryzen 7 5700GとRyzen 5 5600Gは、CPUコアに最新の「Zen 3アーキテクチャ」、GPUコアに7nmプロセス化された「GCN(Graphics Core Next)アーキテクチャ」を採用している。一部モデルがバルク販売された「Ryzen PRO 4000Gシリーズ」と比べると、CPUコアのみを刷新したような格好となっている。
CPUソケットは従来通り「Socket AM4」で、「AMD X570」や「AMD B550」といったAMD 500シリーズチップセットを搭載するマザーボードであれば、問題なく装着できる。ただし、マザーボードの出荷時期によってはUEFI(BIOS)のアップデートを事前に行う必要がある。マザーボードを新調する場合は、最新のUEFIが適用済みかどうか店頭で確認しておくといいだろう。
なお、CPUコアはZen 3アーキテクチャとなったものの、PCI ExpressバスはRevision 3.0(PCI Express 3.0)となる。GPUレスの製品とは異なりPCI Express 4.0には対応しないので注意しよう。
CPUアーキテクチャが刷新された一方で、スペックそのものは前世代から劇的な変更はない。TDP(熱設計電力)は65Wのまま据え置きだ。
Ryzen 7 5700GのCPU部分は8コア16スレッドで、「Ryzen 7 PRO 4750G」と比べるとベースクロックとターボクロックが共に200MHz向上している。L3キャッシュは16MBと2倍になった。一方で、GPU部分の最高クロックは100MHzほど落とされている。
Ryzen 5 5600GのCPU部分も基本/ターボクロックが「Ryzen 5 PRO 4650G」から200MHz向上し、L3キャッシュも16GBに倍増している。
両APU共に、メインメモリは引き続きDDR4-3200規格のものに対応する。繰り返しだが、先代と比べるとCPUコア部分をアップデートして総合性能を引き上げたモデルと理解するのが正解だろう。
先代はバルク販売だったためCPUファンが付属しなかったが、今回の市販品にはAMDの純正CPUファン「Wraith Stealth」が付属する。CPUファンを別途用意しなくても良いことは、ユーザー視点ではうれしいポイントといえる。
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