ここからは、さまざまなテストでONEXPLAYERの性能を見ていこう。評価機のCPUはCore i7-1165G7で、GPUはCPU内蔵のIris Xe Graphicsmメモリは16GB、ストレージは1TBという構成だ。いずれの場合も画面解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)で測定している。
本題のCPUおよびグラフィックスの性能についてだが、既に述べた通り本機にはターボ切り替えボタンがあり、CPUのモードを変更できる。そこでOneGX1 Proでの測定結果と、ターボ切り替えボタンオンでテストした結果について比較しよう。
まずはPCMark 10からだ。OneGX1 Proに採用されているCPUはCore i7-1160G7(4コア8スレッド、2.1GHz〜4.4GHz)で、本機はCore i7-1165G7(4コア8スレッド、2.8GHz〜4.8GHz)だ。ONEXPLAYERもOneGX1 ProもCPUのコア数は同じだが、ONEXPLAYERの方が動作周波数が高いため、良好な結果を残している。この傾向は3DMarkも同様で、CPU scoreやPhysics scoreのスコアがOneGX1 Proよりも高い結果だ。
PCMark 10や3DMarkでは、従来機のOneGX1 Proとそれほど大きな差が付かなかったが、実際のゲームに近いベンチマークテストではどのような値を示すのだろうか。また、ターボ切り替えボタンにより、ターボモードに切り替えたときはどのように変わるのだろうか。「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズベンチマーク」から見ていこう。
グラフを見ると一目瞭然だが、ターボ切り替えボタンでTDPを28Wに変更すると、ベンチマークテストの値が大きく変わる。ファイナルファンタジーXIVのような3Dがバリバリに描かれるゲームの場合は、ターボモードをオンにしてプレイすると、かなりの効果を得られることが分かる。
ちなみに、ターボモードオンの状態でファイナルファンタジーXIVのフレームレートを測定してみたが、OneGX1 Proでは平均でも43fps程度だったのが、60fpsを越える値となった。進化したONEXPLAYERでは、AAAタイトルも十分にプレイできる実力を備えているのが分かった。
そこで、さらに処理が重いゲームである「ファイナルファンタジーXV」のベンチマークテストを走らせてみた。その結果が以下のグラフだ。
OneGX1 Proで測定したときは「無理」と言われて撃沈したベンチマークテストだが、本機をターボモードで動かせば、軽量品質では「普通」という結果になった。どうやらなんとか動きそうだ。
ゲームプラットフォーム「Steam」での8割がカジュアルゲームと言われるが、“ゲーミング”を名乗るのであれば、いわゆるAAAタイトルを遊びたくなるのは、ゲーマーであれば当然のことだと思っている。
前回試したOneGX1 Proでは、とてもではないが重量級のゲームソフトを動かすのは無理だった。しかし本機であれば、グラフィックス設定をライトな方向に振ればプレイできるだろう。小型で、手元で遊べるゲーミングPCを使いたいという要求には少し近づいたかもしれない。このテストで希望が持てたともいえる。
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