では実際にノートPCと接続してみよう。本製品は左右に各1基ずつのUSB Type-Cポートを搭載するデュアルポート構成を採用している。ポートの機能に違いはないので、PCとの配置に応じて、どちらからでも接続できるのは便利だ。
一般的なモバイルディスプレイは本体側面にポートがあるため、ポートの配置によってはケーブルが高いところから伸びることで、うっかり引っ掛けて転倒させる事故が起こりやすい。しかし、本製品は底面のスタンド側面にポートがあり、デスク面すれすれにケーブルが伸びるので、そうした心配も少なく安全に使える。隠れた利点といえるだろう。
スタンドの右側面には電源ボタンも用意されており、ここで本体の電源をオン/オフできるが、実際にはケーブルをつないだ段階で電源がオンになるので、これを利用する機会はほとんどない。機能するのは据え置きで使う場合くらいだろう。
本製品は、いわゆるOSDメニューが用意されておらず、設定できるのはブルーライトカットのオン/オフ、および輝度の調整だけだ。これはいずれも左側面にあるボタンを使って操作する。スピーカーを内蔵していないこともあり、音量回りの機能はない。
なお、同社の液晶ディスプレイには、詳細な設定を行うための専用ユーティリティー「Dell Display Manager」が用意されているが、本稿執筆時点では本製品は対応しておらず、動作確認リストにも本製品の型番はない。そのためディスプレイ回りの設定は、OS側で可能な項目のみということになる。
さて、本製品の大きな特徴といえるのが、パススルー充電に対応することだ。
モバイルディスプレイとノートPCをUSB Type-Cケーブルで接続した場合、ノートPCのUSB Type-Cポートがふさがってしまう。もしノートPCの充電をUSB Type-Cポートで行っていて、それが1基しかない場合、モバイルディスプレイを使っている間は、ノートPCの充電が行えなくなってしまう。
しかし本製品は、本体の反対側に搭載されたもう1基のUSB Type-CポートにUSB Power Delivery対応の充電器を接続することで、本製品を経由してノートPCを充電できる。充電可能なのは最大65Wまでなので、現行のノートPCの多くは問題なく対応できるだろう。
気をつけたいのは、パススルー充電が行われるにあたり、本製品がいくらかの電力を消費するため、充電器側の最大出力そのままに供給できるわけではないことだ。今回、最大65W出力の充電器を接続してみたが、PC側からは45Wの充電器としてしか認識されなかった。別の65W充電器に交換しても同様だったので、これが仕様ということだろう。
従って、ノートPCが65W以上を必要とする場合、充電器はそれ以上、100Wクラスの出力を持つ製品が必要ということになる。今回は100W出力が可能な充電器の手持ちがなかったので検証はしていないが、パススルー充電ではつきものの問題ゆえ注意したいところだ。
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