では実際に接続してみよう。本製品は左側面にUSB Type-Cポートが搭載されており、ここからノートPCなどのデバイスに接続する。添付ケーブルの長さが一般的な添付品の約2倍に相当する約1.5mと非常に長くて面食らうが、それ以外は一般的だ。
このUSB Type-Cポートが、本体のかなり上の位置にあるのも目を引く。多くのモバイルディスプレイでは、接続ポートは本体の低い位置にレイアウトするのが常識的だ。これは、物理ボタンやポートが乗る基板を極力コンパクトに収めるという設計上の理由によるものだが、うっかりケーブルを引っ掛けにくいという利点にもなっている。
しかし本製品は、このケーブルがかなり上から伸びる構造であることに加え、添付ケーブルが硬く垂れ下がりにくいこともあって、真横へとケーブルが突き出る格好になり、何かに付けて引っかかりやすい。下部にはポートを実装できるだけの厚みがなかったためにしわ寄せが来ているとみられるが、あまり好ましい配置ではない。
もう1つ、本製品を使っていて気になるのが、OSDメニューの操作のしづらさだ。本製品のOSDメニューは、本体画面の左下にある2つのボタンを使って操作するのだが、わずか2つのボタンで項目移動と決定を行わなくてはならないため、かなり操作方法が煩雑だ。
例えば上の階層へと移動する場合、通常ならば「戻る」ボタンを押すのが一般的だが、本製品にはそれがないため、各項目の最後まで移動した上で矢印マークを選んで、ようやく上の階層に戻ることができる。項目の選択も、順送りしかできない(逆送りがない)ため、選びたい項目を行き過ぎるともう一周ループしなくてはならない。
多くのモバイルディスプレイは、利用頻度の高い調整機能、具体的には明るさや音量調整は、メニューを経由せずに直接ボタンから呼び出せるショートカットを搭載している。しかし本製品でできるのはモード切り替えだけで、画面の明るさ調整は、メニューを開いて深い階層までたどらなくてはいけない。無理をせずにボタンを最低でももう1つ増やしておけば、こうはならなかっただろう。
といった具合に、いくつか難点はあるのだが、その一方で本製品はユニークな機能も搭載している。1つは背面中央に設けられた、汎用(はんよう)のネジ穴だ。これを使えば、市販の三脚を本製品の背面に取り付け、スタンドとして使うことができる。
単純にデスク上に立てるだけであれば、本製品と一体化した背面スタンドを使えばよいが、三脚が使えれば、さらに柔軟な向きや角度の設定も行えるし、三脚をディスプレイアームのように使うことによって、宙に浮かせた状態での設置も可能になる。
この他、本製品の背面スタンドは側面が斜めにカットされていることから、縦置きでの設置にも対応する他、背面がフラットなため、市販のタブレットスタンドに立てて使う場合も安定している。こうした設置方法の柔軟さは、他社のモバイルディスプレイに比べて一歩先を行っている印象だ。
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