ということでかつてない高性能なモバイルコンピュータが誕生したことは間違いなさそうだ。今後の性能評価が楽しみだが、一方で新チップのコンセプトはM1の延長線上にあり、果たして「Mac Pro」の領域で何をしてくるのかが、個人的には見えなくなってきた。
337億トランジスタのM1 Pro、570億トランジスタのM1 Maxは、いずれもSoCの規模としてはいささか常識を外れている。とはいえ、このクレイジーな設計方針を来年にTSMCが立ち上げるといわれている3nmプロセスでも続けるとするなら、単純計算で同じダイサイズで2.5倍から3倍のトランジスタを集積可能になる。
AppleがMacラインアップのアップデートを2年で完了するなら、1年後にはMac ProがApple独自設計のSoCに置き換わると考えられる(その前にM1 Pro・M1 Max搭載の高性能iMacもあるだろう)。
拡張性が求められるMac ProやiMacの上位モデルでも、M1のCPU、GPU、Neural Engineをはじめとする多様な処理回路をSoCとしてまとめ、同一スレートにDRAMをまとめることで高性能を引き出すコンセプトを継続するのか、それとも別の解決策を提案するのか。さらに次の世代、次の次の世代と未来を見据えるならば、この辺りで新しいアイデアを見せてくれる気もするが、Mac Proへの道はまだ見えて来そうにない。
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