最後に、システム全体の消費電力をチェックしてみよう。起動後10分間何もせずに安定させた場合の値を「アイドル時」、3DMarkのTime Spy Extremeを動作させた際の最高値を「高負荷時」としてワットチェッカーで計測した。
いずれもTDP(標準消費電力)が125WのCPUとハイエンドGPUの組み合わせいうことで、高負荷時の消費電力は450Wを超える。最も消費電力が大きかったのは、Core i9-12900Kの構成(502W)だった。次点がCore i9-11900K(489W)、3位がCore i5-12600K(476W)となった。Core i5でも消費電力がRyzen 9 5900X(466W)を上回る。
今回発表されたCPUを使って自作PCを組むなら、電源ユニットの容量は750W以上としておきたい。
ここまで見てきた通り、第12世代Coreプロセッサは前世代から大きな性能向上を果たしている。ここしばらくはパフォーマンス面で競合(AMD)に押されていたIntelだが、その勢いを盛り返せるだけの魅力は備えている。
Core i9-12900Kは税込みの実売価格が8万円前後と、やや値は張る。しかし、CPUコアの性能はシングルスレッドはもちろんマルチスレッドも優秀であり、ハイエンドゲーミング環境においてはマストバイな存在になりうる。Core i5-12600Kについても、税込み実売価格が4万円前後であることを考えると、特筆すべきパフォーマンスを発揮している。幅広いユーザー層に人気が出る可能性は高い。
Intelが掲げた「Built for the next generation of gaming(ゲーミングの次世代のために作られた)」というキャッチコピーはハッタリではない。
ただし、特にCore i9-12900Kに関してはCPUの冷却に十分注意することを強くお勧めする。今回は360mmラジエーター搭載の水冷クーラーを使用したが、それでもCINEBENCH R23実行中の温度が最大85度を超えた。より小さなラジエーターを採用したクーラーや空冷クーラーでは冷却が厳しくなる可能性もある。Core i5-12600Kでは最大66度程度に収まったが、それでも高性能な水冷クーラーは用意しておく方が望ましい。
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