ここからは、ベンチマークテストの結果を掲載する。CPUはRyzen 9 5900HX、グラフィックス機能はCPU内蔵のAMD Radeon Graphics、メモリは16GB、ストレージはPCIe 3.0対応のSSD(512GB)、OSはWindows 11 Home 64bitといった内容だ。
MyASUSで設定できるモードは「スタンダード」を基本に、一部「パフォーマンス」でも実施した。今回は同時に発表された「Vivobook Pro 16X OLED」(N7600PC-L2025W、スタンダードモード)で計測したスコアも掲載している。
CINEBENCH R23のスコアは10879ptsだった。Ryzen 9 5900HXの性能をフルにとはいわないまでもかなりのレベルで引き出しており、4コア8スレッドのCore i7-11370Hを搭載するVivobook Pro 16X OLEDのスコア(5756)を大幅に上回っている。
それ以外のテストでも、GPU性能を要する3D描画系ではCPU内蔵タイプゆえの弱さを見せているが、オフィス系、写真編集系は格上のVivobook Pro 16X OLEDのスコアと同等あるいは上回っている。UL Procyon/Video Editingのスコアがふるわないが、4K UHDのH.265のエンコードを含む高負荷なテストなので仕方がない。フルHDの動画編集作業なら十分対応できる性能がある。
PCMark 10/Modern Office Battery Lifeでは、目視で輝度を確認し、実用的なラインとしてディスプレイの輝度は30%に設定した。実用的な輝度で実測で9時間近い動作ができており、気分転換に外出してひと仕事くらいならばACアダプターなしでも問題なくいけるだろう。
動作音も、スタンダードモードなら静音の部類に入り、空調機器など普段から身の回りで起きるレベルの音に収まっていた。ボディーもそれほど熱くならず、高性能なハイエンドCPUを搭載しながら良いバランスにまとまっているといえる。
パフォーマンスモードでは確かにスコアは上がるが、動作音も大きく上がる。常用するのは難しいと感じるが、ここぞという時に使える設定が用意されているのはありがたい。
2880×1800ピクセル表示という有機ELディスプレイの体験は、実にゴージャスだ。新鮮なWindows 11のビジュアルも一層引き立つ。Ryzen 9 5900HXのパワーも、放熱的に無理をすることなくスマートに引き出すことができている。
ビジネス、学習、エンタメ、クリエイティブなどさまざまな用途で快適に活用できるが、グラフィックス機能がCPU内蔵GPUのため、ゲームやプロユースのクリエイティブ作業となると制限がつく。メモリやストレージ、インタフェースの仕様からも、やはり入門機ということになるが、それにしてはぜいたくすぎる内容だ。
評価機の他に、ハードウェアが共通でOfficeソフトがWPS Office 2 Standard Editionになるモデル(M3401QA-KM011W)は14万9800円、CPUを8コア16スレッドのRyzen 7 5800H、メモリを8GBにしたモデル(M3401QA-KM010W)は12万9800円となる。同社直販のASUS Storeでは随時キャンペーンを実施しており、さらにお得に購入できる機会もあるだろう。
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