16型の大画面有機EL搭載ながら2kg切り! 厚さ約19.5mmの「Vivobook Pro 16X OLED」を試す(3/5 ページ)

» 2021年12月02日 12時00分 公開
[マルオマサトITmedia]

独自のケア機能も備えたRetinaクオリティーの有機ELディスプレイ

 有機ELディスプレイならではの画面の美しさは、本製品でも際立つ。16型でWQUXGA(3840×2400ピクセル、約283ppi)の高解像度に対応することもあって、4Kクラスの高解像度の写真や動画を表示すると、その場にいるような臨場感と立体感がグッと伝わってくる。

 液晶ディスプレイでは液晶をバックライトのシャッターとして利用するのに対し、有機ELディスプレイでは画素を構成する素子自体を直接制御して発光するため、原理的なメリットが大きい。黒の表現、階調表現、色域、コントラスト、応答速度、いずれも優れる。

 本製品のスペックはDCI-P3比100%、sRGB比では133%の色域だ。最大輝度は最大600ニト、黒の表現力を示す黒色輝度は0.00005ニト、コントラスト比は一般的な液晶ディスプレイの1000倍に相当する100万:1、さらに一般的な液晶ディスプレイの約50倍にあたる0.2msの応答速度という内容となる。

Vivobook Pro 16X OLED N7600PC 「4K(4K UHD)」よりも広い16型で3840×2400ピクセルの有機ELディスプレイを備える。応答速度は0.2ms、色域はDCI-P3相当(sRGB比133%)をカバーする。色再現性におけるPANTONE認証、低ブルーライトにおいてはテュフラインランド認証と、第三者による認証を取得している

 さらに、ASUS JAPANの有機ELディスプレイは、スペクトルの調整により、色の精度に影響を与えずブルーライトを通常の約70%低減しており、目への負担も少ないという。カラーサイエンス大手のPANTONE認証、ブルーライト低減については、ドイツの認証機関であるテュフラインランド認証も取得している。

 有機ELディスプレイの弱点である「焼き付きやすい」点についても対策が用意されている。焼き付きは素子が長時間同じ色、特に明るい色を表示させることが原因であるため、それを防止すべく特別なスクリーンセーバーを用意するとともに、Samsungの焼き付き防止技術も導入している。

 これは劣化した素子を検出してその素子への電流を増加させることで低下した光量を補い、正常な色を表示するという。標準で「ダークモード」と「タスクバーを隠す」設定にする工夫もされている。なお、有機ELディスプレイの焼き付きは、保証期間内であれば、保証の範囲内で修理対応ということだ。

Vivobook Pro 16X OLED N7600PC 画面の角度は水平に対して133度まで開く。視野角が広いため、十分な調整範囲といえる。どの角度でもくっきりした表示だ
Vivobook Pro 16X OLED N7600PC エックスライトのi1 Display Pro/i1 Profilerでの測定結果
Vivobook Pro 16X OLED N7600PC i1 Profilerで作成したICCプロファイルをColor AC(Phonon氏・作)で表示させた。本製品の色域は一番外側の実線で、外側の点線がDCI-P3、内側の点線がsRGBの色域を示す。DCI-P3をも大きく上回る色域を持っている
Vivobook Pro 16X OLED N7600PC スクリーンセーバーやピクセルシフトなど有機ELディスプレイの焼き付きを防ぐための機能を用意しており、MyASUSユーティリティーで設定できる。

Thunderbolt 4にWi-Fi 6などソツのない標準装備

 通信機能は、Wi-Fi 6対応の無線LAN、Bluetooth 5.1を標準で装備し、有線LANは省かれている。

 右側面には、プロクリエイターに需要の高いThunderbolt 4(USB Type-C)を備える。ビデオモニター/キャプチャデバイスや高速ストレージなどThunderbolt 4/3対応の周辺機器を本来の性能で利用できる。Type-AのUSBは3基あり、うち1基がUSB 3.2 Gen 1、残りの2基はUSB 2.0となっている。

 ディスプレイの上部には、92万画素のWebカメラとアレイマイクを内蔵している。スピーカーは底面にあり、マイク/スピーカー/ヘッドフォン(接続時)のAIノイズキャンセリング機能も利用可能だ。テレワークやオンライン学習もスマートにこなせる。

Vivobook Pro 16X OLED N7600PC 前面はすっきりしている。中央部に凹みがあって指がかかりやすく、ディスプレイ部分は片手でもスムーズに開けられる
Vivobook Pro 16X OLED N7600PC 背面にあるヒンジの内側に排気口がある
Vivobook Pro 16X OLED N7600PC 左側面にはUSB 2.0ポートが2基ある
Vivobook Pro 16X OLED N7600PC 右側面にはThunderbolt 4(USB Type-C)と、USB 3.2 Gen 1(Type-A)端子を装備する。その他にDC入力端子、HDMI出力端子、SDXC対応のmicroSDメモリーカードスロット、ヘッドフォン/マイク兼用端子もある
Vivobook Pro 16X OLED N7600PC 画面上部に物理シャッターを備えたWebカメラ(約92万画素)を搭載している。下がシャッターを閉じた状態だ
Vivobook Pro 16X OLED N7600PC AIノイズキャンセリング機能を搭載している。MyASUSから設定を行う。ヘッドフォンを接続した場合はヘッドフォンに対しても有効だ
Vivobook Pro 16X OLED N7600PC MyASUSには通信タスクの優先度を設定できる機能も用意されている。

 ベンチマークテストを使って本製品のパフォーマンスを見ていこう。

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