PCMark 10/Modern Office Battery Lifeでは目視で輝度を確認し、使えるラインとしてディスプレイの輝度は30%に設定した。負荷が軽い作業とはいえ、実用的な輝度での実測で13時間以上も動作できるのは心強い。
動作音は、スタンダードモードでは高負荷時でもかなり落ち着いた音で、ボディーの発熱も抑えられており、実に快適に利用できた。もう少し性能に振っても良いのではと思えるくらいであったが、パフォーマンスモードに切り替えると一気に耳障りなノイズが発生する。爆音というほどでもないのだが、システムへの負荷に敏感に反応しすぎるきらいがあり、音圧の変化が耳障りに感じる。このあたりは少しチューニングの余地がある印象だ。
Vivobook Pro 16X OLEDは、見方によって評価が変わってくる製品だ。同社の想定通りに動画編集者やデザイナー向けの製品としてみると基本スペック(特にメモリとストレージ)が物足りない。この時点でプロはもちろん、ハイアマチュアの選択肢にも入りにくいだろう。
一方で、テレワークや学習用途を軸に、クリエイティブ、ゲーム、エンタメまで幅広く活用できるスリムノートPCとして捉えるならば、とても魅力的な製品だ。
所有欲を刺激する洗練されたデザインのボディー、色再現性に優れた高精細な有機ELディスプレイは、本製品ならではの強い個性であり、大きな付加価値だ。マルチな用途で活躍し、総合的にバランスの取れたパフォーマンスとロングバッテリーライフ、静かで熱くならずに快適に利用でき、キーボードの使い勝手も良好で実用性もしっかり兼ね備えている。
ASUS Storeでの販売価格は21万9800円だ。上記の内容を考えれば、決して高すぎるということはないだろう。また、CPUをRyzen 9 5900HX(8コア16スレッド)に、ボディーカラーを「0°ブラック」にしたモデル(M7600QC-L2045W)が19万9800円で用意されている。見た目の印象はガラリと変わるが、併せて検討したい。
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