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» 2022年01月13日 14時30分 公開

「16:10ディスプレイ」が思わぬ部分でデメリットに? 「ThinkPad X1 Carbon Gen 9」を試す(前編)(1/2 ページ)

レノボのフラグシップノートPC「ThinkPad X1 Carbon」の第9世代モデルは、画面のアスペクト比が16:10となったことが特徴だ。縦方向の解像度が増えた一方で、キーボードには見逃せない変化も見受けられる。2022年に発売されるであろう第10世代モデルのプレビューとして、第9世代モデルをチェックしていこう。

[井上翔,ITmedia]

 レノボ・ジャパンのノートPC「ThinkPad」は、2022年でブランド設立から30周年を迎える。そのフラグシップモデルの1つが「ThinkPad X1 Carbon」だ。2012年に初代が登場したThinkPad X1 Carbonは、重要な特徴として「14型ディスプレイ」「カーボン天板」「クラムシェル」の3つの要素を備えており、2022年に登場するGen 10(第10世代、2022年モデル)まで貫かれている。

 そんなThinkPad X1 Carbonだが、Gen 10の1つ手前であるGen 9(第9世代、2021年モデル)では大きな変化があった。ディスプレイのアスペクト比(長辺と短辺の比)が16:10になったのだ。これは、基本的なボディー構造を引き継いだGen 10も同様である。

 そこで、2回に分けてThinkPad X1 Carbon Gen 9のレビューをお伝えする。今回は前編として、主に外観から分かる“変更点”をチェックしていこう。

X1 Carbon ThinkPad X1 Carbon Gen 9は、ディスプレイのアスペクト比が16:10となった

今回レビューするのはCore i5搭載の「固定構成モデル」

 現在のThinkPadには、あらかじめ仕様の決まっている「固定構成モデル」と、仕様を自分で選択できる直販限定の「カスタマイズ(CTO)モデル」が用意されている。今回レビューするのは、ThinkPad X1 Carbon Gen 9の「20XW-0013JP」という固定構成モデル(税込み直販価格25万2000円)で、主な仕様は以下の通りとなる。

  • CPU:Core i5-1135G7(2.4GHz〜4.2GHz、4コア8スレッド)
  • メインメモリ:8GB(LPDDR4X)
  • ストレージ:256GB SSD(PCI Express 3.0接続)
  • ディスプレイ:14型IPS液晶(最大解像度は1920×1200ピクセル)
  • キーボード:日本語配列
  • OS:Windows 10 Pro(64bit版、日本語)

 CPUのCore i5-1135G7はモバイル向け第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)の1つとなる。今回レビューするモデルは「Intel Evoプラットフォーム」に準拠しているため、パームレストにはそれを示すエンブレムシールが貼り付けられている。

 なお、ThinkPad X1 Carbon Gen 9のCTOモデルには「Intel vProプラットフォーム」対応モデルも用意されている。大企業向けの管理/セキュリティ機能が必要な場合は、CTOモデルのカスタマイズでvPro対応CPUを選択しよう。

エンブレムシール 今回レビューするのは、Core i5-1135G7を搭載する固定構成モデル。Intel Evoプラットフォームにも準拠している

メリットだけではない「アスペクト比16:10」

 先述の通り、ThinkPad X1 Carbon Gen 9はアスペクト比16:10の14型ディスプレイを搭載している。アスペクト比16:9の14型ディスプレイを搭載するGen 8(第8世代、2020年モデル)とボディーサイズを比べると、以下の通りとなる。

  • Gen 8:約323(幅)×217(奥行き)×14.95(厚さ)mm
  • Gen 9:約314.5(幅)×221.6(奥行き)×14.9(厚さ)mm

 ディスプレイが少しだけ縦長になったこともあり、奥行きが少し大きくなった一方で、幅と厚さは減っている。幅が縮小したことは、後で重要なポイントとなるので覚えておこう。

 通常、ディスプレイが縦長になると、奥行きがその分だけ増しがちである。しかし、ThinkPad X1 Carbon Gen 9ではベゼル(額縁)の面積を削減することで奥行きの増加を最小限に抑えている。

画面 ThinkPad X1 Carbon Gen 9はアスペクト比16:10の14型ディスプレイを搭載する。今回レビューしているモデルは、1920×1200ピクセルのIPS液晶パネルを搭載している

 アスペクト比が16:9から16:10になったことで、Webサイト、文章やスプレッドシートの閲覧と作成が快適になった。これは事実である。しかし、それによって思わぬ部分に“しわ寄せ”が出ている。

 ThinkPadは原則として「フルサイズ」のキーボードを搭載している。ストローク(押し込み)の深さはさておき、一般的なデスクトップPC用キーボードと同じ感覚で指を運べることがフルサイズキーボードのメリットである。

 しかし、「ThinkPad X13」などX1 Carbon以外の「ThinkPad Xシリーズ」では、日本語配列キーボードを選択すると右端部のキーのサイズが縮小される。「Xシリーズが欲しいけれど、一部でも文字キーが小さくなるのは嫌だ」と考える人が取れる選択肢は以下のいずれかである。

  • CTOモデルで米国英語(US)配列キーボードを選択して購入
  • いったん日本語配列のキーボードを搭載する構成を購入して、US配列キーボードに換装(ただし、ThinkPad X1 Carbonでは構造上困難)
  • 日本語配列でも文字キーの縮小がないThinkPad X1 Carbonを購入する

 ところが、ThinkPad X1 Carbon Gen 9では、日本語配列キーボードの右端部の文字キーのサイズが縮小された。よって、日本語配列派の人は「キーの縮小が嫌だからX1 Carbonにしよう」という回避策が取れない。先述の“しわ寄せ”はこのことである。

 「文字キーの縮小は絶対に嫌だ!」という人は、妥協してこの日本語配列キーボードを受け入れるか、CTOモデルでUS配列キーボードを選択するしかない。筆者を含む一部の人にとって、これは大変悩ましい問題である。

日本語キーボード 今までのThinkPad X1 Carbonとは異なり、Gen 9では日本語配列キーボードの右端部の赤枠で囲ったキーのサイズが他の文字キーよりも小さくなっている。キーサイズの「均整」を重視する人はUS配列キーボードを選ぶしかない……のだが、筆者個人としてはそれよりも「X1」ロゴの方がどうしても気になってしまう
USキーボード 参考に、US配列キーボードはこのような感じとなる。従来モデルと比べると、「\(バックスラッシュ)」キー、「BackSpace」キーと右側の「Shift」キーのサイズは小さくなっているものの、文字キーのサイズは均一である
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