では実際に使ってみよう。本製品は、本体の左側面にminiHDMIポートとUSB Type-Cポートを搭載している。USB Type-Cで接続する場合は、映像信号と電力供給をケーブル1本でまかなえる。miniHDMIで接続する場合は、別途USBケーブルを使っての給電が必要になる。
ちなみにUSB Type-Cポートは2基搭載されているが、どちらにケーブルを接続しても問題ない。モバイルディスプレイによっては、一方は給電にしか対応しないことがあり、しばらく使っていないと機能の違いを忘れてしまうこともしばしばあるため、機能差がないのはありがたい。
OSDメニューを調整するためのボタン類は、本体の右側面に並んでいる。ダイヤルホイールと「戻る」ボタンの2つのみだが、ダイヤルホイールを押し込む操作と合わせて、メニューの移動や選択は容易に行える。
OSDメニューを表示しない状態でダイヤルホイールを上下に倒す操作には、それぞれ音量調整と輝度調整のショートカットが割り当てられており、すばやく呼び出すことができる。これらも含めて、メニュー類の操作性はモバイルディスプレイの中でも上位に入る出来と言っていい。
ちなみに、これらOSDメニューは、前回紹介したリンクスインターナショナルの「Quintokuta」シリーズに似ているが(正確には本体外観もほぼ同一である)、同シリーズは14型モデルは既に終売となっているので、本製品と対になる14型モデルは本稿執筆時点では存在しないことになる。
さて、しばらく試用していて気になったのは、斜め方向から見ると画面がかなり暗く見えることだ。スペック上は水平/垂直170度とされているが、少なくとも水平方向については、そこまで広くないように感じる。USB Type-C接続時はいったん明るさが30%にリセットされるため、接続のたび手動で調節して対処するとよい。
もう1つ、同様の構造を採用したモバイルディスプレイにつきものなのだが、スタンドがひ弱なのも気になる。本体背面に吸着させるための磁力が弱く、場所を移動させようとすると簡単に外れてしまう。また角度調整の自由度も低く、実質的に角度は固定になってしまう。
そうしたことから、このカバー兼用スタンドを使うのは輸送時のみにとどめ、ふだんは市販のタブレットスタンドやアームに取り付けて使うのも手だろう。本製品の高さは約212.65mmと、A4サイズの短辺とほぼ同じなので、10型前後のタブレット向けのアームならば装着できる可能性が高い。これならば本製品の軽さも生きてくる。
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