ヤマダデンキとAmazonが作るスマートテレビのある日常――「FUNAI Fire TVスマートテレビ」誕生の理由(2/2 ページ)

» 2022年02月17日 20時45分 公開
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なぜAmazonとヤマダホールディングスは手を組んだ?

村澤氏 ヤマダホールディングスの村澤圧司氏取締役

 スマートTVは、動画/音楽のストリーミングアプリやVOD(ビデオオンデマンド)サービスに直接アクセスできるため、単体で楽しめるコンテンツの幅が従来のTVよりも広くなっている。加えて、スマートTVは音声エージェントサービスと結び付くことで、家庭の生活環境をより良くするツールの1つとなりうる。

 ヤマダホールディングスの立場からすると、この“生活環境をより良くする”というポイントがAmazonとの協業につながったようだ。同社の村澤圧司取締役はこのように語る。

 「お客さまがTVを快適に視聴できるような環境を整えるべく、家具や電動ソファなどと合わせて提案することを使命とするヤマダホールディングスと、コロナ禍で需要が増しているストリーミングサービスにおいて、コンテンツや技術力などを持つAmazonの組み合わせは、非常に意味がある」

 全国に実店舗を抱え、TVの実機を並べて販売してきたヤマダホールディングスと、これまでEコマースで成功してきたAmazonがタッグを組むからこそ、利便性に富んだ合理的な製品ができると考えたのだろう。

前田氏 アマゾンジャパン デバイス事業本部の前田隆志事業本部長

 一方、Amazonの立場はどうなのか。同社Amazonデバイス事業本部の前田隆志事業本部長によると、Fire TVシリーズの中でも、スティック型の「Fire TV Stick」は、シリーズ累計で1億5000万台以上を出荷しているという。そんなFire TVを「TVに内蔵することで、非常に面白いことができると考えた」そうだ。

 端的にいえば、Amazonのあらゆる体験が1台のTVでこなせることに意味を見いだしたのである。

多様なニーズにこたえる 多様化するニーズに応えるべく、FUNAI Fire TVスマートテレビが生まれた

ネット全盛の時代でもTVは「キラーコンテンツ」となる

 ただ、最近は「ストリーミング動画サービスは見るけれど、TV番組は全く見ない」という人も少なくない。その文脈から「TVチューナーのないTVが欲しい」という声もよく耳にする。事実、ドン・キホーテが発売したTVチューナーレスの「ネット動画専用スマートTV」は2021年12月に発売するとあっという間に品切れとなるほどの人気を集めた。

 それに対して、FUNAI Fire TVスマートテレビにはTVチューナーが搭載されている。しかも、USB接続のHDDを用意すれば番組の録画も可能だ。

 なぜ、TVチューナーを搭載したのか――村澤氏は「最大のキラーコンテンツはTV番組である」とその理由を語る。“TVであること”にこだわりつつも、「TVとストリーミングの両方をシームレスに楽しめる製品」(村澤氏)として、訴求していく考えのようだ。

開発コンセプト FUNAI Fire TVスマートテレビの開発コンセプト

開発/製造は船井電機が担当

足立氏 船井電機の足立元美取締役

 FUNAI Fire TVスマートテレビの製造は、「FUNAI」の名の通り船井電機が担う。同社はAV機器の受託開発/生産(OEM業務)で定評があり、日本国内ではヤマダホールディングスと独占販売契約を締結し、自社で開発/生産したTVやBlu-ray Discレコーダーをヤマダホールディングス傘下の家電量販店を通して販売している。Fire OS搭載のスマートTVも、両社の契約(定型)の延長線にあるようだ。

 発表会には船井電機の足立元美取締役も登壇し、「国内で最も多くの販売店を抱え、暮らしを丸ごと提案するヤマダホールディングスと組むことで、お客さまの本意に沿った製品を開発できる」と独占販売契約のメリットを強調した。

 ヤマダホールディングスの村澤氏も、「長年のパートナーである船井電機に開発と製造を委託することで、新製品を生み出すことができた」とした上で、「幅広い世代の人により便利なTVをお楽しみいただけるのではないか」とFUNAI Fire TVスマートテレビに対する期待を語った。

時代を先取りするための提携

 ヤマダホールディングスの山田昇社長は「Amazonとの協業によって、時代を先取りできるかもしれない」とした上で、「FUNAI Fire TVスマートテレビの発売を契機に、それぞれの強みを生かしたコンテンツやサービスを強化し、今回の協業を将来的に発展させたい」との考えを明らかにした。同社としては、今回の提携を契機にAmazonとの協業を深めたいようだ。

 Amazonのジャスパー・チャン社長も、山田社長の発言に応える形で「まずはFUNAI Fire TVスマートテレビを成功させて、新しい生活様式に貢献できればうれしい」とコメントした。

山田社長チャン社長 ヤマダホールディングスの山田昇社長(左)とアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長(右)

 ここまでお伝えしたように、「コンテンツ主導の体験」と「スマートホームのハブ」をセットにしたFUNAI Fire TVスマートテレビは、単に「FUNAI」の名を冠したスマートなTVにとどまらず、ライフスタイルの変化をもたらす存在になるかもしれない。

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