究極のスリムさ? アスペクト比35:10! 縦横どちら向きにも設置できる14型の細長ディスプレイを試すモバイルディスプレイの道(4/4 ページ)

» 2022年02月18日 13時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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75mmのVESAマウント穴も用意

 縦向きで使う際に気をつけたいのが、付属の2種類のスタンドはいずれも高さ調整に対応しないことだ。縦向きにした本製品の高さを隣のプライマリーディスプレイとそろえたい場合、プライマリー側で調整するか、あるいは本製品の下に適切な厚みのあるモノを敷き、底上げしてやる必要がある。これが意外と手間だ。

 スマホやタブレット用のアームを使い、宙に浮かせるという方法もあるが、本製品は背面が大きく出っ張った形状ゆえ、クリップ式で本体を挟み込む方式のアームとはいまいち相性がよろしくない。せっかくならば高さ調整が可能なスタンドを付属してほしかったところだ。

LCD14HCR-IPSW 28型ディスプレイの隣に並べた状態。高さ調節機能がないのでこのように段差ができる
LCD14HCR-IPSW 高さをそろえるには、何らかの台を置くか、もしくはディスプレイ側を低くするしかない。ちなみにこの写真からも分かるように、画面の高さはおおむね27〜28型のディスプレイの高さと等しい
LCD14HCR-IPSW 縦向きでの表示では、Twitterのタイムラインを表示したり(左)、画像ソフトのツールバーをまとめて置いたり(中央)、タスクマネージャーでプロセスを監視したり(右)とさまざまな用途が思いつく。ToDoの一覧を表示しておくなどの使い方もありだろう
LCD14HCR-IPSW 背面にブロックが突き出ていることから、上下から挟むタイプのタブレットアームは取り付けが難しい。ちなみにブロック部の高さは実測で88mmある

 なお本製品は、背面のVESAマウントを用い、ディスプレイアームに取り付けることもできる。一般的な100mmではなく75mmのマウントであることに気をつける必要はあるが、据え置きで使うのであれば、この方法が最も収まりがよいかもしれない。

LCD14HCR-IPSW VESAマウントを使って取り付けるのも1つの手だろう。なお一般的な100mmではなく75mmの仕様なので気をつけよう

アイデア次第で無限大の可能性を持つ製品

 以上のように、アスペクト比こそかなりのキワモノだが、サブディスプレイとしての完成度は高い。この手の製品では、水平方向と垂直方向で視野角が異なっており、横向きだったのを縦にすると途端に見づらくなるケースもあるが、本製品はそうしたこともない。

 ただし気をつけたいのは、一般的なモバイルディスプレイが作業スペースそのものを広げることを目的としているのに対して、本製品は邪魔になるウィンドウを退避させてメインディスプレイでの作業の効率を上げることが目的であるなど、似た製品でありながらコンセプトが全く違うことだ。

 そのため、一般的なモバイルディスプレイを探している人が本製品を見つけて「これは面白そう」と思って購入しても、当初の目的を果たせない可能性はある。このことはしっかり認識しておくべきだろう。

LCD14HCR-IPSW 表示スペースが縦もしくは横にじわりと広がるだけで、導入することによって作業スペースが一気に広がるという、モバイルディスプレイにありがちな感覚はない。カテゴリーとしてはモバイルディスプレイに属するが、用途としては全く別物だ

 とはいえ、このスリムさゆえ既存のモバイルディスプレイにはないさまざまな設置方法が可能で、アイデア次第で無限大の可能性を持つ製品であることは間違いない。そうした用途で使うに当たって、解像度を始めとした基本スペックがしっかりしており、不安要素がないことは評価できる。

 実売価格は税込み2万6800円前後と、一般的なモバイルディスプレイと比べて大きな差はなく、12カ月間メーカー保証も付属しているのもよい。ピンと来た人は、ぜひ実機を手に入れてあれやこれやと工夫してみてほしい。

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