3DMarkについては、DirectX 11ベースのFire StrikeやDirectX 12ベースのTime Spyでは、TGP 100W前後のGeForce RTX 3070 Laptop GPUと同じくらいのスコアだ。ただし、レイトレーシングを活用するDirectX Raytracing(DXR)対応のPort Royalでは、ワンランク下のRTX 3060 Laptop GPUと同レベルのスコアにとどまる。
動作音は、パフォーマンスモードであればゲーミングノートPCとしては標準クラスにある。ゲームなど高負荷時には大きくなるものの、低負荷ならば特にノイズも気にせず利用できる印象だ。Turboではゲームを起動しているだけでも大きな風切り音が発生しており、常時ヘッドフォンをしているような使い方以外での常用は難しいと感じる。動作モードはM4キーまたはFn+F5キーかで簡単に切り替えられるので、うまく利用すればよいだろう。
放熱はうまく制御できている印象で、キーボードは奥側中央付近で一部熱くなるものの、WASDキー周辺は30度台前半、手がよく触れるパームレストは最高でも31.3度と低い温度に保たれていた(室温は16度)。放熱口がヒンジ部にある構造から、ボディーの左右に熱風が吹くことがないのは好印象だ。
直販のASUS Storeでの価格は税込み29万9800円と、発表時から2万円アップとなっており、原稿執筆時点で発売日は未定だ。従来のROG Zephyrus G14シリーズのイメージからすると高価に感じるが、今世代は内容がグレードアップしており、物流の混乱や円安といったもろもろの事情を考慮すれば納得できる価格だろう。
G402シリーズのラインアップには、AniMe Matrixを省いた「ROG Zephyrus G14 GA402RJ」(GA402RJ-R76RX6700シリーズ)が同22万9800円で発売中だが、GPUのグレードが下がり(Radeon RX 6700S)、メモリやストレージ容量ともに本機から半減するので、最上位モデルを購入した方が後悔がないと感じる。
本機はゲーミングPCではあるが、エンターテイメント、クリエイティブ、ビジネス、いずれの用途でも高いレベルで対応できる万能性のある構成で活躍の場を選ばない。それに加えて、洗練されたデザイン、AniMe Matrixという唯一無二のギミックを「持ち運べる」という付加価値は大きな強みだ。実用面はもちろん、楽しさという面からも生活の質を向上させるパートナーになってくれるだろう。
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