設定が終わったら、早速SonosアプリにAmazon Musicサービスを連携させ、空間オーディオだけを集めたプレイリスト「Best of 360 Reality Sound」を再生してみた。以前であれば、Amazonのスマートスピーカー「Echo Studio」やSONYの一部スピーカーのみが対応していたのだが、2021年10月19日に、その他の一般的なヘッドフォンへ対応を拡大し、Sonos Beam(Gen2)も対応機器となっている。
Trueplayで設定しておいたからか、音に包み込まれるような体験をすることができた。空間オーディオのライブ音源があれば(そしてもっと増えて自分の好きなアーティストのコンテンツが出てくるようになれば)、自宅にいながらライブ会場の雰囲気を味わえるようになるだろう。
続いて、スピーチエンハンスメント機能の性能を検証すべくWeb会議のテストも行った。“相手”は別室に置いたPCからログインした自分の別アカウント。音源はスマホの録音データだ。
相手側のマイクの品質によるところも大きいかと思うが、話し声をかなりクリアに再生した。
次に、“相手”を手元のスマホに変えてWeb会議を再現した。キーボードでメモを取りながら話をする、という場面も想定し、かなり派手に音を鳴らしながらタイピングをしてみたのだが、Sonos Beam(Gen2)から再生される音は、かなりタイピング音が抑制されていた。
「もしかして、スマホのマイクが拾っていないだけでは?」と考え、スピーカーをSonos Beam(Gen2)から13インチMacBook Pro(2020)内蔵のものへと切り替えてみたところ、見事に(しかも)カチャカチャという音を再生していた。
第4世代12.9インチiPad Pro上に表示させた動画(Apple TV+)の音声を、AirPlayで飛ばしつつSonos Beam(Gen2)で再生させたてみたが、そもそもAirPlayで動画の音声を別のスピーカーにDolby Atmosの音声フォーマットを飛ばせられないため、“包み込まれるような”感覚を得ることはできなかった。もっともiPad単体よりは良い音質だったのは確かだ。
このように、おおむね良好な感触のある本機だが、残念に感じた点がいくつかある。1つはSonos Beam(Gen2)搭載のマイクが、音声アシスタントの起動や本体コントロールをするためにしか使えず、ハンズフリー通話に対応していないこと。もう1つはSonosアプリで追加できるサブスクリプションサービスが音楽のみで、動画系に非対応なことだ。
せっかくWeb会議で効果を発揮するスピーチエンハンスメント機能があるのだから、ここはもう一歩踏み込んで、マイクも使えるようにしてほしかった。いずれもアプリが使える大画面TVに接続するのが前提となる本機だけに大きな問題ではないが、対応してくれれば利用シーンの幅も広がるだろう。
とはいえ、HDMIと電源の2本のケーブルをつなぐだけで、部屋のサウンド環境をグンと引き上げられるSonos Beam(Gen2)は、費用も時間もあまりかけられない、それでもお家時間を有意義なものにしたいという人にとって、検討する価値のある製品だ。
加えて、ワイヤレスでサブウーファー(Sonos Sub)やスピーカー(Sonos One/Sonos One SL)を接続してリアルサラウンド環境を簡単に構築したり、スマホで聞いていたサウンドをシームレスに切り替えたりできるのは、柔軟なシステム拡張に対応したSonos製品ならではのアドバンテージである。
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