デスクトップ向け「Radeon RX 6000シリーズ」にリフレッシュモデル 日本では5月13日11時発売GeForce RTX 30シリーズに徹底対抗(1/2 ページ)

» 2022年05月10日 23時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは5月10日(米国東部時間)、デスクトップPC向け新型GPU「Radeon RX 6650 XT」「Radeon RX 6750 XT」「Radeon RX 6950 XT」を発表した。

 これらのGPUを搭載するグラフィックスカードは、日本では5月13日11時からパートナー企業を通して発売される。米国におけるグラフィックスカードの想定販売価格は、Radeon RX 6650 XTが399ドル(約5万2000円)から、Radeon RX 6750 XTが549ドル(約7万1400円)から、Radeon RX 6950 XTが1099ドル(約14万3000円)からとなる。日本における想定販売価格は後述する。

Radeon RX 6000シリーズの新モデル デスクトップPC向けRadeon RX 6000シリーズの新モデルが登場する

新GPUの概要

 今回発表された3つのGPUは、既存のデスクトップPC向け「Radeon RX 6000シリーズ」の“リファインモデル”という位置付けで、主に「ゲームクロック(ゲームプレイ中の標準稼働クロック)の引き上げ」と「グラフィックスメモリの高速化」によって基本性能を改善したものとなる。

概要 デスクトップPC向けRadeon RX 6000シリーズに加わる3つのGPUの概要スペック

Radeon RX 6650 XT

 Radeon RX 6650 XTは「Radeon RX 6600」と「Radeon RX 6700 XT」の中間スペックを狙った製品で、フルHD(1080p/1920×1080ピクセル)の最高画質でゲームを快適にプレイすることを想定している。主な仕様は以下の通りだ。

  • 演算ユニット(CU)/レイアクセラレーター(RA):32基
  • ストリームプロセッサ(SP):2048基
  • ゲームクロック:2410MHz
  • ブーストクロック:最大2635MHz
  • Infinity Cache(L3キャッシュ):32MB
  • グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6規格)
  • メモリインタフェース:128bit
  • 接続バス:PCI Express 4.0 x8
  • 消費電力:180W(推奨電源容量は500W)
  • GPU補助電源:8ピン×1

 AMDはRadeon RX 6650 XTの仮想ライバルとして「GeForce RTX 3060」を設定している。同一システム(※1)で11個のゲームタイトルをプレイすると、そのいずれでも平均フレームレートにおいて“高速”になるという。この傾向は超解像技術(※2)を使って900p(1600×900ピクセル)の映像をアップスケールした場合も同様で、10のゲームタイトルで平均フレームレートで勝利したそうだ。

(※1)Resizable BAR/Smart Access Memoryを有効化したRyzen 7 5800X3Dを搭載するPC(以下同)
(※2)GeForceは「NVIDIA Image Scaling and Sharpening」、Radeonは「Radeon Super Resolution」(以下同)

超解像技術なし 399ドルのRadeon RX 6650 XTが、500ドル(約6万5000円)のGeForce RTX 3060に平均フレームレートで勝利するという。ただし、消費電力は10W増しである
超解像技術あり 超解像技術を使って900p映像をアップスケール表示した場合も同様の傾向のようだが、超解像技術を無効化した場合のグラフと比べると「Fortnite(フォートナイト)」が消えていることが気になる

Radeon RX 6750 XT

 Radeon RX 6750 XTはRadeon RX 6700 XTと「Radeon RX 6800」の中間スペックを狙った製品で、WQHD(1440p/2560×1440ピクセル)の最高画質でゲームを快適にプレイすることを想定している。主な仕様は以下の通りだ。

  • CU/RA:40基
  • SP:2560基
  • ゲームクロック:2495MHz
  • ブーストクロック:最大2600MHz
  • Infinity Cache:96MB
  • グラフィックスメモリ:12GB(GDDR6規格)
  • メモリインタフェース:192bit
  • 接続バス:PCI Express 4.0 x16
  • 消費電力:250W(推奨電源容量は650W)
  • GPU補助電源:8ピン×1+6ピン×1

 AMDはRadeon RX 6750 XTの仮想ライバルとして「GeForce RTX 3070」を設定している。同一システムで11個のゲームタイトルをプレイすると、そのうち6つで平均フレームレートにおいて“高速”になるという。それ以外のタイトルも僅差となっており、コストパフォーマンスの良さをアピールしている。超解像技術を使ってフルHDの映像をアップスケールした場合は、11タイトルのうち8つで平均フレームレートで勝利したそうだ。

超解像技術なし 549ドルのRadeon RX 6750 XTは、718ドル(約9万3300円)のGeForce RTX 3070と肩を並べるスペックを確保している。ただし、消費電力は30W増しである
超解像技術あり 超解像技術を使って1080p映像をアップスケール表示した場合も、同様の傾向だ

Radeon RX 6950 XT

 Radeon RX 6950 XTは「Radeon RX 6900 XT」の上位モデルとして登場する。Radeon RX 6000シリーズの新たなフラグシップモデルで、4K(2160p/3840×2160ピクセル)の最高画質でゲームを快適にプレイすることを想定している。主な仕様は以下の通りだ。

  • CU/RA:80基
  • SP:5120基
  • ゲームクロック:2100MHz
  • ブーストクロック:最大2310MHz
  • Infinity Cache:128MB
  • グラフィックスメモリ:16GB(GDDR6規格)
  • メモリインタフェース:256bit
  • 接続バス:PCI Express 4.0 x16
  • 消費電力:335W(推奨電源容量は800W)
  • GPU補助電源:8ピン×2

 AMDはRadeon RX 6950 XTの仮想ライバルとして「GeForce RTX 3090」や「GeForce RTX 3090 Ti」を設定している。同一システムで9つのゲームタイトルをプレイすると、そのうち8つで平均フレームレートにおいてGeForce RTX 3090よりも“高速”になるという。2タイトルはGeForce RTX 3090 Tiをも上回ったようだ。

 超解像技術を使って11タイトルのWQHD映像をアップスケールしてGeForce RTX 3090と比べた場合は、9タイトルで平均フレームレートで勝利したそうだ。なお、GeForce RTX 3090 Tiとの比較は掲載されていなかった。

超解像なし 1099ドルのRadeon RX 6950 XTは、1799ドル(約23万4000円)のGeForce RTX 3090や1999ドル(約26万円)のGeForce RTX 3090 Tiと肩を並べるパフォーマンスを出しながらも、消費電力が抑えられている
超解像あり 超解像技術を使った場合も、その傾向に変わりはないという
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