OSDメニューについては、本体スタンドの右側面にあるボタンで操作する。横長のボタンが2つあり、前後で別の機能が割り当てられているので、実質4つのボタンで操作することになる。
この4つというボタン数は、この種の製品としては多い部類に入るが、操作性はあまり高くはない。というのも、これら4つのボタンは奥に向かって並んでおり、画面に表示されたメニューの項目を選択するにあたって、ボタンの向きと移動方向が一致しないからだ。
多くのモバイルディスプレイは、こうしたメニュー操作用のボタンが、ディスプレイ側面に縦に並んでいる。それゆえ画面に表示された項目を上下に移動するにあたっても、ボタンの向きと移動方向が一致しているので直感的に操作できる。
しかし本製品はそうではなく、また同じボタンの両端で戻る/決定を行うという独特の割り当てもあり、項目間を移動しようとしてあらぬ方向に進んだり、選択したはずが戻ってしまったりという操作ミスが起こりやすい。繰り返し使っていれば慣れるだろうが、利用間隔が開くと忘れてしまいかねない。本製品の数少ない欠点の1つだ。
明るさ調整、音量調整、入力選択についてはそれぞれショートカットが用意されており、メニューを経由せずに一発で画面を呼び出せるので、利便性は非常に高い。このあたりはさすがに抜かりない印象だ。
以上、ざっと使ってみたが、現時点では最強と言っていいモバイルディスプレイではないかと思う。あえてネックを挙げるとすれば前述のOSDメニューの操作性、重量、斜め方向から見た時に画面が暗くなりがちな点だが、USB Type-Cのパワーパススルーに対応しつつHDMIでも接続できるモバイルディスプレイは、筆者の知る限り国内では見当たらず、貴重な存在だ。
さらに実売価格が2万円台半ばというリーズナブルさも見逃せない。USB Type-Cのパススルー充電に対応したモバイルディスプレイは実売4〜5万円程度するのが常なので、本製品の価格破壊力はすさまじい。
余談だが、本製品とほぼ同じ仕様の先代モデル「LKM-156FA」は、発売後ほんの数カ月で終息した経緯がある。詳細な理由は不明だが、この業界では製品自体に実力があっても製造元の事情で早期に終息となるのはよくある話だけに、気になるユーザーは流通在庫があるうちに、早めにチェックすることをお勧めする。
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