アスペクト比37:10! 「横方向だけフルHD」の12.6型バー型ディスプレイ「LCD12HCV-IPSW」を試して分かったことモバイルディスプレイの道(3/4 ページ)

» 2022年08月18日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

デスクトップ用スタンドがリニューアル 着脱が容易に

 さて、今回の12.6型モデルは、デスクトップ用スタンドが刷新されている。外観自体はよく似ているのだが、従来はシューを本体に取り付け、そこにスタンドを差し込むという二度手間が必要だったのが、今回のモデルでは本体に直接取り付けられるように改善された。

 本製品は背面下部と横、2カ所にこのスタンドを取り付けるためのスリットがあり、どちらに取り付けるかによって縦置きと横置きを切り替えられるのだが、新しいスタンドになったことで、この取り付けと取り外しがより容易に行えるようになった。

 ただし、このデスクトップ用スタンドは一定の幅があり、縦置き時にはディスプレイ本体の左右にはみ出してしまう。そのためメインのディスプレイの隣に並べた場合、ピッタリくっつけられず、わずかに隙間ができてしまう。見た目よりも安定性を重視した結果ではあるが、気になる人はいるかもしれない。

 一方、背面には従来と同じくVESAマウント(75mm)に対応したネジ穴が用意されており、ディスプレイアームへの取り付けも容易だ。こちらであれば、ディスプレイアーム側の機構で、縦横の切り替えもより自由に行えるし、メインディスプレイにピッタリくっつけての配置も可能だろう。

 逆に、本製品は天地サイズが約101mmとコンパクトなため、ディスプレイアーム側の取り付け金具がVESAマウントの100mmに対応していると、この金具の端が本製品の上下に突き出てしまいかねない。実用上問題はないが、見た目は不格好なので、ディスプレイアームを選ぶ時には注意したい。

LCD12HCV-IPSW デスクトップ用スタンドを取り付けた状態。従来とは形状および構造が異なっている
LCD12HCV-IPSW デスクトップ用スタンドは、シューを用いずダイレクトに取り付ける構造へと改められた
LCD12HCV-IPSW こちらは従来の14型モデル。先に本体にシューを取り付け、そこに差し込む構造だったため面倒だった。今回の製品はそういった手間は不要だ
LCD12HCV-IPSW 背面中央には、75mmのVESAマウントに取り付け可能なネジ穴が配置されている
LCD12HCV-IPSW 100mmのマウントに対応したディスプレイアームに取り付けると金具の方が幅があり、上下にはみ出してしまうので要注意だ

細長い画面はどんな用途にフィットする?

 細長い画面を生かした使い方は前回の14型モデルのレビューに譲るが、縦向きだとSNSのタイムラインだけを表示したり、画像編集ソフトのツールボックスを移動させて画面を広く使ったり、あるいはウィジェットを置いたりと、メインの画面をより広く使いたい場合に威力を発揮する。

 横向きで使う場合は、ノートPCの画面の上に設置して、天地の高さをより拡張するという使い方も面白い。特に本製品は横方向の解像度が1920ピクセルとフルHDと同等なので、フルHDのノートPCの上部に本製品を載せるように設置すれば、解像度の違和感もない。間に挟まる本体下部のベゼルの厚みが気になるなら、天地を反転させての設置も検討したい。

 ちなみに縦向きに置いて使う場合は、24型クラスのディスプレイと並べると、おおむね高さが一致する。ただし本製品付属のデスクトップ用スタンドは高さ調節機能がないため、隣に置いたディスプレイと高さをそろえるのが難しい。前述のスタンド幅が本体幅よりも広い問題と併せて、次期モデルでは何らかの改善を期待したい。

LCD12HCV-IPSW 縦向きでのコンテンツの表示例。タスクマネージャーでプロセスを監視したり(左)、Twitterのタイムラインを表示したり(中央)、画像ソフトのツールバーをまとめて置いたり(右)とさまざまな用途に使える
LCD12HCV-IPSW 横向きでのコンテンツの表示例。上はExcelのワークシート、下はタスクマネージャーを表示している。従来の14型に比べて解像度が低いのは要注意だろう
LCD12HCV-IPSW 14型クラスのフルHDノートPCの上部に本製品を乗せるように設置すれば、天地を拡張できる。間に挟まるベゼル幅が太いのがややネックだ
LCD12HCV-IPSW 縦向きにした状態のサイズ。全長が約322mmということで、27型のディスプレイ(右)と並べるとやや短い。24型だと高さがそろうはずだ
LCD12HCV-IPSW ベゼル幅は上が5.5mm、左右が6mm、下が11mmだ。画面との間には段差がある

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