「Blue Carpet Project」でクリエイターを支援するインテル――最新PCを手にしたクリエイターが驚いた理由(1/3 ページ)

» 2022年09月15日 14時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]

 9月13日に、インテルはオンラインイベント「Intel Blue Carpet Project Update Meeting」を開催した。

 Blue Carpet Project(ブルーカーペットプロジェクト。以下、BCP)は、プラットフォームやジャンルを問わず、優れた作品を生み出し、挑戦し続けるクリエイターたちを支援するプロジェクトとして2022年3月22日に発足した。

 これは、創作活動とテクノロジーの関係性が密接になっていく中で、インテルが支援を通じて介在することで、クリエイティブ全体の底上げをしてもらいつつ、より多くの人に、ここから生み出されるコンテンツを届けるということを狙ったものだ。ちなみに、レッドカーペットならぬ「Blue Carpet」なのは、インテルのコーポレートカラーが由来となっている。

 本イベントでは、3月の発足からの進ちょくを、BCPに参加しているクリエイターとのトークセッションを交えながら報告された。その模様をお伝えする。

Intel Blue Carpet Project Update Meeting インテル 2022 3月のスタートから、これまでの活動内容の報告がなされた「インテル Blue Carpet Project Update Meeting」

クリエイティブ活動で「Blue Carpet Project」が果たす役割とは?

intel Blue Carpet Project Update Meeting インテル代表取締役社長 鈴木国正氏

 最初に登壇したインテル代表取締役社長 鈴木国正氏は、BCPが参加クリエイターたちのコミュニティー「インテル Blue Carpet Club」と、学生など次世代のクリエイター育成を支援するために、発表の場(ミュージアム)、フェス、PCの貸し出しを行っていること、クリエイターのワークフローの様子を「インテル create」というWebサイトでグローバルに紹介していることなどを伝えた。

intel Blue Carpet Project Update Meeting インテルBCPの概要

 「『素敵なことをはじめよう』。これがインテルブランドの伝えたいメッセージの1つでもある。それを具体的に形にするのがBCPだ。今後も、同プロジェクトに期待してもらいたい」と鈴木氏は述べた。

 続いて始まったのが、Blue Carpet Clubクリエイター 西郡勲氏と鈴木氏のトークセッションだ。西郡氏は2012年の東京駅丸の内駅舎保存・復原 完成記念イベント「TOKYO SYATION VISION」で、駅舎へ投影するプロジェクションマッピング映像制作を手掛けたクリエイターの1人であり、最近ではTOKYO 2022 パラリンピック閉会式の映像演出も担当したディレクター/CGデザイナーだ。

intel Blue Carpet Project Update Meeting 西郡勲氏

 西郡氏が映像の世界にハマったのは、高校進学後、ほどなくして訪れたライブハウスで目にしたVJ(ビジュアルジョッキー)がきっかけだという。「音楽好きだったので、MV(ミュージックビデオ)は知っていたけれど、音楽に合わせて好きな映像を流す、それを同じ場所にいる人たちと共有する自由な空間を体験し、衝撃を受けた。それで、自分も同じようなことをしてみたいと思った」と原体験を語った。

 その後、VJをしながらCG制作会社に入社し、20歳で応募した「MTV Station-IDコンテスト」で音楽と映像が100%シンクロする作品でグランプリを受賞。「世の中に認められた、自分の才能に気づいた?」という鈴木氏の問いに「映像制作の才能があるわけではない。“あきらめずにしつこく追求する”才能はあると思う」と西郡氏は答えていた。

 「人を喜ばせるためには、“技術”という手段も大切になる。どのような技術に触れてきたか」という鈴木氏の問いに、「初めはアメリカの“ちっちゃな”コンピューターを使っていた」と西郡氏。しかし「何かをするのに『これでないといけない』というこだわりはなく、自分のやりたいことを成し遂げられる受け皿を大きくしていく必要があると思っている。インテル(製CPU搭載PC)は、選択肢の幅が広いので、自分のやりたいことを実現するためのさまざまな組み合わせを探して見つけ、自分の表現の幅も広げることができると考えている」と付け加えた。

 BCPの活動の1つである機材提供と、Blue Carpet Clubについても話が及んだ。

 「うちの最新CPUを使っていただいていると思うけど、実際に使ってみた感想は?」という鈴木氏に対し、「非常に助かっている」と西郡氏。「10分間の8K映像を納品するためのエンコードに以前は1時間ほどかかっていたが、今は20分で終わる。余った時間で、どこを直せるか、どうすればもっと作品を良くできるかを考える余裕、もう1度やってみようというやる気が生まれる」と解説した。

 また、Blue Carpet Clubの意義については、「アニメーター、イラストレーターと知り合うことが簡単に行えるため、ぼくが演出する作品作りを依頼することができる。全てを自分だけでやると、どうしても型にハマりがちになってしまう。でも、ここでなら、それを打破できる。ありがたい存在だと感じている」と語った。

intel Blue Carpet Project Update Meeting 話が尽きることのなさそうに語り合う鈴木氏と西郡氏

 「自分1人だけではなく、“頼んでみる”という壁を超えるだけで、こんなにも違うものができるということを体験できた。最近興味を持っているのが、映像を使って、そこにいる人たちに魔法のような映像を見せるということ。グローバルに展開して、多くの人の目に触れられるようにするのもBCPの活動の1つなので、そちらに関しても期待している」(西郡氏)

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