映像入力は、HDMI 1.4端子とD-Sub(アナログRGB)端子を1基ずつ備える。このディスプレイにはスピーカーを含む音声出力は備えていないため、音声を伝送できるHDMI機器をつないでも音が出ないことに注意しよう。
ハイエンドモデルを中心に、最近はD-Sub端子を省くディスプレイも多い。そんな中でD-Sub端子を備えたことは、とりわけ古いPCなどを使っているという人にとっては歓迎すべき仕様だろう。逆に、DisplayPort端子など、新しい映像伝送規格を使いたいという人にとっては、少し残念かもしれない。
先述の通り、本製品は付属のスタンドで自立させて使う。画面は上方向に15度、下方向に5度まで傾斜を付けられる。
フレームの厚さは左右方向と上方向が約5.7mmと、三辺狭額縁設計だ。下方向のフレームは少し厚いが、ロゴなどは一切ないので、視界の邪魔をする要素はほぼないに等しい。「Mi 23.8" Desktop Monitor 1Cを左右に複数台並べたマルチディスプレイ環境」なんていうのも“アリ”だろう。
ディスプレイパネルの発色も自然で、表示ムラも少ない。ビジネスから動画の鑑賞まで、幅広い用途において“無難”に使える仕上がりといえるだろう。
OSD(オンスクリーンディスプレイ)は、背面の左側(正面から見ると右側)にある5-Wayナビゲーションボタンを操作すると表示できる。画面輝度の調整や低ブルーライトモードのオン/オフなど、各種設定はこのOSDからできる。設定項目も分かりやすく整理されている。
ただし、このOSDには日本語表示が用意されていない。現時点の個体では「英語」「中国語」「スペイン語」の3種類の中から選ぶ必要がある。これらの言語を理解できる人は良いかもしれないが、そうでない人にとっては操作が難しい場面が出てくるかもしれない。
他社のディスプレイの中には、日本語を含めて「これでもかっ!」というほどにOSDの言語が充実しているものもある。日本市場で販売するのなら、せめて日本語には対応してほしいとは思う。
最近はテレワーク(在宅勤務)の制度が広がり、会社のノートPCを使って自宅で仕事をする機会も増えたという人は少なくないだろう。
ノートPCのディスプレイサイズは12〜15型台が主流で、一般的なPC用ディスプレイと比べると小さい。どうしても文字は小さくなってしまう上、作業領域も広くはない。そこでもう1台、プラスして外付けディスプレイを用意すると視認性と作業性が格段に向上する。
Mi 23.8" Desktop Monitor 1Cは、そんな「デュアル(マルチ)ディスプレイ」環境構築の“第一歩”としてよくできている。本体に電源ユニットを搭載していないため、本体の奥行きがそれほど大きくなく、狭い机の上にも設置しやすい。重量もそれほど重たくないので「使う時だけテーブル(デスク)に出して使う」という使い方も苦にならない。
もう少しお金を出せば、フルHD以上の解像度に対応するディスプレイや、リフレッシュレートの高いディスプレイを購入することもできる。ただ、ゲームをがっつりとやるわけではなく、主に仕事(時々動画)という使い方であれば、このくらいのスペックで“必要十分”でもある。
目立った特徴があるわけではないが、標準的なスペック、シンプルなスッキリとしたデザインを備え、価格もムリがない――Mi 23.8" Desktop Monitor 1Cは、初めての「ノートPC用サブディスプレイ」としてちょうどいいのではないだろうか。
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