ここからは、GeForce RTX 4080 Founders Editionを通してGeForce RTX 4080の性能をチェックしていこう。
今回は、デスクトップ向け第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake-S)の最上位モデルである「Core i9-13900K」を軸に据えて構築した自作PCを使ってテストを行った。主なスペックは以下の通りだ。なお、デバイスドライバーはテスト版の「バージョン526.72」を利用している。
参考として、各テストには前回の記事で紹介した「Ryzen 9 7950X+GeForce RTX 4090/3090」のシステムにおけるスコアも掲載する。プラットフォームが異なるため純粋な比較とは行かないことはご容赦いただきたい。
まず、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」の結果を見てみよう。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」を用意されている全ての解像度で試験しつつ、RT性能をチェックする「Port Royal」のテストも実施した。総合スコアは以下の通りである。
当たり前といえば当たり前なのだが、GeForce RTX 4080のスコアはGeForce RTX 4090にはかなわない。4090の方が“上位製品”なので当然といえば当然である。
一方で、GeForce RTX 4080はほとんどのテストにおいて先代の最上位製品であるGeForce RTX 3090 Tiを上回るスコアを記録している。4K解像度(3840×2160ピクセル)のテストである「Time Spy Extreme」や「Fire Strike Ultra」でも良いスコアを残しているので、4Kゲーミングもある程度快適に楽しめそうだ。
RT性能をテストする「Port Royal」のスコアも3090 Tiよりも良好で、高解像度かつRTを有効にした最も最良なグラフィックス設定でも快適にゲームをプレイすることができるだろう。
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)、4Kの3つの解像度でスコアを測ってみた。結果は以下の通りだ。
結果はどれも「非常に快適」判定なのだが、フルHDとWQHDにおいてGeForce RTX 4080のスコアがGeForce RTX 4090のそれを上回っている。これは計測環境の違いと、ドライバーのアップデート(バージョン521.90→526.72)による最適化が進んだことに起因する。
ともあれ、少なくともGeForce RTX 3090 Tiよりも快適に遊べることは間違いなさそうである。
続けて、システムへの負荷がやや大きい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD、WQHD、4Kの3つで行っている。結果は以下の通りである。
全ての解像度において、GeForce RTX 4080はGeForce RTX 3090Tiを超える結果を出している。注目すべきは、4Kでも「非常に快適」判定になったことだろう。
従来のGPUでは、FF15ベンチマークでどんなに頑張っても4K解像度では1つ下の「とても快適」判定が限界であることが多かった。それを“突破”しているGeForce RTX 4080は、ある意味でGeForce RTX 40シリーズのスゴさを体現する存在といえるかもしれない。
ここまで見てきた通り、GeForce RTX 4080は十分に高い性能を備えている。しかし、さらに重たいゲームをプレイした場合も、その“強さ”を維持できるのだろうか。NVIDIAの超解像技術「NVIDIA DLSS(Deep Learning Super Sampling)」の第3世代(DLSS 3)に対応するゲームタイトルで、負荷が非常に大きいことでも知られる「サイバーパンク 2077」の平均フレームレートを計測してみよう。
今回は、画質プリセット「ウルトラ」におけるDLSS無効時(4Kネイティブ)とDLSS有効時(Performance mode for 4K/Ultraライティング)の双方で平均フレームレートを計測している。GeForce RTX 4080/4090では、DLSS 3の新機能である「フレーム補間」も有効にしている。結果は以下の通りだ。
やはりGeForce RTX 4090にはかなわないものの、GeForce RTX 3090 Tiには“余裕の勝利”である。サイバーパンク 2077でこれだけのフレームレートを確保できるのであれば、大抵のゲームは快適に楽しめるはずだ。
試しに自宅の4K TVとつないでサイバーパンク 2077をプレイしてみたが、没入感は高い。GeForce RTX 4080は、ゲームコンソール向けにも配信されているクロスプラットフォームのAAAタイトルを、PCで遊ぶような使い方にも適しているGPUといっても良いだろう。
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