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社会課題への適応も求められる中で日本HPが重視することIT産業のトレンドリーダーに聞く!(日本HP 後編)(3/3 ページ)

» 2022年12月21日 12時00分 公開
[大河原克行ITmedia]
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「第2の創業」として持続的な成長を目指した取り組み

―― 岡戸社長は就任以来、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を実践する文化の創造や、サステナビリティーに力を注いでいます。2023年はどんな点に取り組みますか。

岡戸氏 これらのテーマは短期的に成果を出すものではなく、長期的視点で取り組むものであり、一つ一つの積み上げが大切です。中でもDE&Iは、私が社長としてこだわっていきたい部分でもあります。

 例えばDE&Iの1つに、女性の活用があります。当社では2020年には9.5%だった女性管理職比率が、2022年には10.6%と2桁に到達しました。これを2025年度までに12%に増やす計画です。誰もが仕事と家庭を両立し、活躍できる職場を目指しています。

 2022年11月には、法務・コンプライアンス本部長である白石弘美が取締役に就任しました。女性の取締役は、2015年以来、7年ぶりのことです。当社のリーダーシップチームにおいても、この1年で、いくつかの主要ポジションに、女性のリーダーが就いています。性別に関係なく、優秀なリーダーがポジションを獲得できる環境を作り、さらなるDE&Iの推進に力を入れていきます。

 当社は「第2の創業」として、新たな時代における持続的な成長を目指しています。この1年間でそれに向けた多様な人材を、各組織のリーダーとしてアサインすることができたと思っています。

 また、男性社員の育休取得率では、2025年に100%の取得率を目指します。2020年には50%だったものが、2022年には66.7%まで上昇しており、男性社員が自発的に取得したり、長期取得が増えたりしています。共働きしている家族をサポートすることができますし、男性が子育てにしっかりとコミットできる環境も実現できます。

 HPは、グローバルで、ダイバーシティが進んでおり、その観点から見ると、日本での取り組みはまだまだ水準が低いといえます。ただ、言い方を変えると、グローバルでの先進的なノウハウを、日本の会社に適用できる環境が整っているともいえます。それを生かしたいですね。

 一方、サステナビリティーへの取り組みについてですが、HPの特徴は、サステナビリティーを単独のプロジェクトとして、あるいは一部の部署の人々によって管理するのではなく、会社の経営方針に完全に統合しているという点にあります。

サステナビリティーへの取り組みについて重視している3つのポイント サステナビリティーへの取り組みについて重視している3つのポイント

 サステナビリティーは、製品を設計する際の重要な要素であるべきだと考えており、むしろ、HPのDNAの1つに組み込まれ、ビジネスを行う上での最低限の要素であるという認識が強いですね。

 一例を挙げると、2022年に発表した全てのPCが、環境評価ツール「EPEAT」のゴールドを取得しています。PC本体にオーシャンバウンドプラスチックを採用したり、パッケージに再生可能な素材を利用したりといったように、サステナビリティーを意識した取り組みがさらに強化されています。パーソナルシステムズ事業では、デザインの責任者がサステナビリティーの責任を持ち、中長期的な目標の達成に向けた行動へと結びつけています。

 当社では、東京都日野市の「日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパーク」でPCの東京生産を行っていますが、一部のワークステーションを除く「Made in TOKYO」の製品は、2022年8月までに製品のクッション材を発泡剤から、紙素材のパルプモールドや段ボールクッションに変更しています。

 また、部品が納品される際の梱包材も、プラスチックからリサイクルしやすい紙素材に変更しています。

 HPでは2040年までに、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量ネットゼロを目指しており、その実現に向けて、エネルギー効率の高い製品設計の実現や、再生可能なリサイクル材料、再生プラスチック、再生金属の使用など、持続可能な素材の利用を進めています。

 さらにサステナブルインパクト戦略の一環として、2030年までに1億5000万人に対して、デジタルエクイティ(公平性)を推進し、この目標を達成するために、HPは「HP PATH(Partnership and Technology for Humanity)」を発表し、十分なサービスを受けられない世界中のコミュニティーが抱える課題に対処するイニチアチブやパートナーシップに投資を行っていきます。

地域に密着した活動も継続中

―― 社会貢献の取り組みとしては、地域に根ざした活動も行っていますね。

岡戸氏 当社では、地域の小学生や中学生を対象にしたプログラミング教室や、体験型経済教育プログラムである「品川スチューデントシティ」などの取り組みを継続的に行っています。品川スチューデントシティへの参加者は、2022年の実績で4306人となりました。

 また、江東区で実施してきたプログラミング教室は、コロナ禍ということで、2022年はオンラインで実施したのですが、GIGAスクール構想で整備された1人1台のPCを利用して、小学5年生と6年生を対象に行いました。プログラミング教室は、2023年も継続して開催する予定です。

 加えてNPO法人キッズドアとの協業によって、江戸川区の施設である共育プラザ中央に設置した無料のeスポーツコーナーでは、2022年度に累計2919人の中高生が使用するといった実績があります。本社がある品川エリアでも、社会貢献できることを模索しているところです。

―― 日本HPは、2021年11月、本社を品川に移転しました。コロナ禍での移転で、どんなオフィス作りを目指しましたか。

岡戸氏 これまで出社制限を行った期間が長かったため、オフィス移転によるこの1年間の効果を推し量るのが難しいのが正直なところです。ただ、新たなオフィスにおいては、社員が出社しやすい環境を作り、同時に人と人がつながりやすく、コラボレーションを前提としたものにしています。

 出社した時にやるべき仕事と、在宅勤務で行う仕事の選別を、社員自らが行えるようになっていますし、そのノウハウを生かせるオフィス作りを目指しています。当社自らが、ハイブリッドワークを体現し、どう促進していくべきかといった提案を、オフィスという観点からもお見せすることが大切です。

 実際、この1年でも、オフィスの価値を高めるために、細かいところは柔軟に変更しています。ハイブリッドワークを実践し、そのノウハウをお客さまにご提案することは、2023年の当社のテーマの1つですね。

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