AMDは1月4日(米国太平洋時間)、デスクトップ向けCPU「Ryzen 7000シリーズ」の追加ラインアップを発表した。消費電力を抑えた「通常版(65W版)」は1月10日に、同社独自の積層技術「3D V-Cacheテクノロジー」を適用することでL3キャッシュを大幅に増量した「X3Dプロセッサ」は2月中に発売される予定だ。
なお、特記のない限り、今回登場する新製品の技術的仕様は発売済みの「Ryzen 7000Xシリーズ」と同様となる。
Ryzen 7000X3Dプロセッサは、先述の通り3D V-Cacheテクノロジーを適用してL3キャッシュを大幅に増量したCPUだ。L3キャッシュの増量は負荷の大きいゲームにおいてパフォーマンスを改善する効果が高いとされており、先代の「Ryzen 7 5800X3D」がそれを実証している。
今回のラインアップでは、最上位となる「Ryzen 9」にもL3キャッシュを大幅増量したモデルを用意した。これにより、他に類を見ないL3キャッシュが“モリモリ”な16コア32スレッドCPUが登場することになる。
今回は16コア32スレッドの「Ryzen 9」にも3D V-Cacheテクノロジーを適用するモデルを用意している(画像は最上位モデルとなる「Ryzen 9 7950X3D」の概要)
L3キャッシュの増量により、競合の最新かつ最上位の「Core i9-13900K」を上回るパフォーマンスを発揮するという
Ryzen 7000X3Dプロセッサのラインアップは以下の通り。なお、全モデル共にCPUファンは付属しないので別途用意する必要がある。
Ryzen 9 7950X3Dのパッケージ。「3D V-Cache Technology」のロゴが目印である
- Ryzen 7 7800X3D
- CPUコア:8コア16スレッド(最大5GHz)
- L3キャッシュ:96MB
- GPU:Radeon Graphics(RDNA 2アーキテクチャ/2コア)
- TDP:120W
- Ryzen 9 7900X3D
- CPUコア:12コア24スレッド(4.4GHz〜5.6GHz)
- L3キャッシュ:128MB
- GPU:Radeon Graphics(RDNA 2アーキテクチャ/2コア)
- TDP:120W
- Ryzen 9 7950X3D
- CPUコア:16コア32スレッド(4.2GHz〜5.7GHz)
- L3キャッシュ:128MB
- GPU:Radeon Graphics(RDNA 2アーキテクチャ/2コア)
- TDP:120W
Ryzen 7000プロセッサの通常版は、先に登場したRyzen 7000Xシリーズ(≒高クロック稼働対応モデル)から最高クロックを引き下げたもので、TDPはいずれも65Wに設定されている。また市販用の「リテールパッケージ」にはAMD純正のCPUクーラーも付属する。
Ryzen 9 7900のパッケージ
- Ryzen 5 7600
- CPUコア:6コア12スレッド(3.8GHz〜5.1GHz)
- L3キャッシュ:32MB
- GPU:Radeon Graphics(RDNA 2アーキテクチャ/2コア)
- 付属クーラー:Wraith Stealth
- 想定価格:229ドル(約3万円)
- Ryzen 7 7700
- CPUコア:8コア16スレッド(3.8GHz〜5.3GHz)
- L3キャッシュ:32MB
- GPU:Radeon Graphics(RDNA 2アーキテクチャ/2コア)
- 付属クーラー:Wraith Prism(LEDライティング対応)
- 想定価格:329ドル(約4万4000円)
- Ryzen 9 7900
- CPUコア:12コア24スレッド(4.2GHz〜5.7GHz)
- L3キャッシュ:64MB
- GPU:Radeon Graphics(RDNA 2アーキテクチャ/2コア)
- 付属クーラー:Wraith Prism(LEDライティング対応)
- 想定価格:429ドル(約5万7000円)
通常版のリテールパッケージにはCPUクーラーが付属する
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