加えて、製品名にもある通り、PRIME Z790-A WIFI-CSMはWi-Fi(無線LAN)/Bluetoothモジュールも標準搭載している。Wi-Fiは2.4GHz帯や5GHz帯に加えて6GHz帯も利用する「Wi-Fi 6E」にも対応しているが、日本では6GHz帯の通信は利用できない。Bluetoothは「Bluetooth 5.3」に対応しているが、実際の対応バージョンはOSとデバイスドライバーによって変わる場合がある。アンテナは外付け式で、I/Oパネルにアンテナ端子が用意されている。
「Wi-Fi 6Eが使えないのはどうにかならないの?」と思うかもしれない。本製品は「Intel AX211」の通常タイプ(AX211NGW)を内蔵しているのだが、日本における認証情報がモジュール本体にも印字(貼付)されている場合、デバイスドライバーやUEFI(BIOS)の更新だけでは対応できない(参考記事)。
ASUS JAPANは本製品の6GHz帯への対応について「本国の電波法に基づく規制により、今後本製品が6GHz帯に対応することを保証するものではございません」としているが、何らかの形で対応を期待したい所である。
PRIME Z790-A WIFI-CSMはポート類も充実している。後面I/Oはパネル一体型で、以下のポートを備えている。
他にも、ケース備え付けのポート類に利用できる以下のヘッダーも備えている。
(※2)別売の「ASUSアドオンカード」を用意する必要がある
別売のアドオンカードが必要なものの、Thunderbolt 4も利用可能なのは心強い。これだけのポート類を備えていれば、多くの用途で困ることはないだろう。
フルサイズのPCI Expressスロットは、以下の通り備えている。
(※3)信号線は4レーン分のみ
グラフィックスカードを装着する想定のPCI Express 5.0 x16スロットには、「SafeSlot(セーフスロット)」という物理的な補強を施した上で、カードの着脱を簡単に行える「PCIe Slot Q-Release」という仕組みが導入されている。
一般的なPCI Express x16スロットは、安易なカードの脱落を防ぐためのロック機構を備えている。しかし、巨大化が著しい近年のグラフィックスカードを一度装着するとロック機構に指が届かず、カードをなかなか外せないなんていうことも珍しくない。「指が届かないなら」と定規やペンなどを使ってロックを外そう……とするのだが、それでもうまく行かないことも多い。その結果、ロック機構自体を“破壊”してしまうこともある。
PCIe Slot Q-Releaseはこのような問題を解消する仕組みで、グラフィックスカードに重ならない場所でカードのロックを解除できる。メンテナンスなどでグラフィックスカードを着脱する機会が多い人もこれで安心だ。
先述の通り、PRIME Z790-A WIFI-CSMの税込み実売価格は5万円台前半と、Intel Z790チップセットを搭載するマザーボードとしては手頃である。その割に、機能面でも充実しているので「予算は限られるものの、第13世代Coreプロセッサの性能をしっかりと引き出せるPCを組みたい」という人にはピッタリな選択肢の1つといえる。
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