2022年に米国のAI研究機関「OpenAI」が発表したチャットボット「ChatGPT」がSNSを中心に大きな話題を呼んでいる。
ChatGPTは同社が開発した自然言語処理AIモデル「GPT(Generative Pre-trained Transformer)-3」の最新バーション(GPT-3.5)をベースに開発されでおり、先端テクノロジーを追いかけている人の間では既に名の知れた存在でもある。それが今になった再び脚光を集めているのは、Microsoftが開発主体であるOpenAIに100億ドル(約1兆3000億円)という追加投資を行ったことも大きい。
「なぜMicrosoftがOpenAIに再び(しかも巨額の)投資をしたのか?」「Microsoftはどうやって投資を回収するのか?」といった所も気になるが、PC USERの読者の皆さんとしては、「ChatGPTってそんなにすごいものなのか?」というテクノロジー面での可用性も気になっているはずだ。
この記事では、実際にChatGPTの研究用プレビュー版を使って、その実情に迫ってみようと思う。
ChatGPT(研究用プレビュー版)の利用はそれほど難しいものではない。以下のステップで始められる。
OpenAIアカウントの作成時には、携帯電話のSMS(ショートメッセージ)による認証も行われるので、手元にスマートフォンや携帯電話も用意しておこう。
なお、アカウントは手持ちの「Google アカウント」または「Microsoft アカウント」を使って作成することもできる。
ログイン後、トップ画面の画面下にあるチャットボックスに適当な文章を入れると、それに則した「回答」を自動生成してくれる。ユーザーインタフェース(UI)は英語だが、日本語の文章を入力すると、基本的には日本語の回答が自動生成される(たまに英語の回答をしてくることもあるので油断ならない)。
利用する準備が整ったら、早速文章で何かをお願いしてみよう。例えば「ChatGPTの紹介記事を書いてください」と文章を入力してみると、以下のような回答が生成される。
ChatGPTは、OpenAIが開発した大型の自然言語処理モデルです。
言語の理解力は高く、自然な文章を生成することができます。また、質問応答タスクにも優れており、あらゆるトピックについての知識を持っています。
また、APIを使用することで、開発者は自分のアプリケーションやサービスに組み込んで使用することができます。
使用頻度に応じて学習し、改善し続ける学習型のモデルとなっており、新しい知識を追加することでより質の高い回答を生成することができます。
一般的には、ChatGPTは、高い自然言語処理能力を持ち、豊富な知識を持っている学習型の自然言語生成モデルです。
同じ文章でも回答は都度微妙に変わることはあるものの、前後関係で矛盾がなく、複数の文章にまたがって説明を重ね、最終的にふに落ちる結論に結び付ける話法で説明する傾向にある。
もちろん、ChatGPTには得意な分野もあれば、不得意な(不完全な)分野も少なからずある。そこでChatGPT自身に「ChatGPTに得手・不得手はありますか?」と質問すると以下のような答えが返ってきた。
ChatGPTは、大型の自然言語処理モデルであり、高い自然言語理解能力を持っています。しかし、そのためにも、いくつかの制限があります。
一つは、文脈に依存したタスクにおいては、文脈を理解することができないことがあります。例えば、ある文章の中で出てくる特定の単語が、その文章の中での意味とは異なることがあります。このような場合、ChatGPTは、文章の中での文脈を理解することができないため、誤った回答を生成することがあります。
また、ChatGPTは、人間のように考えることができないため、特定のタスクにおいては、人間のような思考プロセスを持つモデルよりも劣っていることがあります。例えば、論理的に考えるタスクや、倫理的な判断をするタスクなどでは、人間のような思考プロセスを持つモデルの方が適していることがあります。
また、ChatGPTは、学習データに基づいて学習しているため、学習データにバイアスがある場合、そのバイアスを反映した結果を生成することがあります。例えば、性別や人種に関する偏見が学習データに含まれている場合、それらの偏見を反映した結果を生成することがあります。
これらは、ChatGPTにおいて得手不得手な点の一部であり、ChatGPTを使用する際には、それらの制限を理解し、適切な使用方法を選ぶことが重要です。
言葉の重複や文章表現の乏しさ、比較対象が明記されていないことなど、首を傾げる部分もある。しかし、初めて使う人は「これが機械(コンピュータ)の生成した文章なのか……」と、驚きを覚えるはずだ。
なお、上記のように回答が長文になる場合、途中で文章が途切れてしまうことがある。途切れてしまった場合は「続き」と入力すると途切れた所から回答を再開してくれる。
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