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一部組織では利用禁止も! OpenAIの「ChatGPT」のスゴさとMicrosoftの戦略本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/4 ページ)

» 2023年01月30日 15時00分 公開
[本田雅一ITmedia]
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Microsoftは「GPT-3」をどう生かす?

 ここまでChatGPTを使ってきてたが、皆さんならどのように使ってみたいだろうか。

 繰り返すが、現在公開されているのは「研究用プレビュー版」であって、学習データの品質に保証があるわけでもないし、特定分野に向けた最適化も施されていない。しかし、実際に試してみると、ベースとなっているGPT-3.5の言語処理能力は想像以上に優れていることはよく分かった。うまく「正解」を混ぜて質問を投げれば、回答の精度も高められる

 想定された使い方なのかどうかは分からないが、1行目に「以下の文章を要約してください」と書いた上で、2行目以降に文章を流し込むと、かなり高い精度で要旨を書き出してくれる。同様に「この文章を意味が通るようにしてください」と書いた上で、2行目以降に文章を流し込むと、ある程度意味の通るように整形してくれる。ぜひ試してみてほしい。

要約 ChatGPTに文章を要約させてみる。思った以上にしっかりと要約できるので驚いた

 GPT-3という技術は、さまざまな用途に応用できる。Microsoftは「Microsoft 365(Office 365)」にもGPT-3を取り入つつある(参考リンク)。さらに同社はWeb検索サービス「Bing(ビング)」にOpenGPT(GPT-3.5)を統合するという報道もある。

 MicrosoftといえばPC向けOSで支配的なシェアを持っている一方で、Web検索サービスでは存在感を示し切れていない。この分野で競合となるGoogleのシェアは85%前後と圧倒的で、Bingは8%程度にとどまっている(参考リンク)。

 予測でしかないが、MicrosoftはChatGPT(GPT-3.5)を軸に据えて、より確かな情報へと素早くたどり着ける、新しいWeb検索エンジンを開発しようとしているのかもしれない。自然な会話で情報を絞り込め、さらに対象ページの要約も得意となれば、Googleを脅かす可能性もある。今後の展開に注目したい。

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